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  1. 鳥取県議会 2001-06-01
    平成13年6月定例会(第3号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時05分開議 ◯議長(村田実君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。  これより、一般質問を行っていただきます。  2番福間裕隆君 ◯2番(福間裕隆君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  今まで1番という役割はどの場面でも遭遇したことはありませんが、今回図らずも一番バッターを受けさせていただくことができまして大変光栄に思っております。  通告をしております2つの問題について、知事並びに教育長の御所見をお伺いをしたいと思います。  まず最初に、妻木晩田遺跡の保存活用についてお尋ねをいたしたいと思います。  先般発表されました妻木晩田遺跡保存活用基本構想によりますと、基本構想のねらいとして、弥生時代後期を中心に形成された170ヘクタールに及ぶ他に類を見ない巨大集落で、全国的にも極めて重要なこの妻木晩田遺跡は、周辺の自然環境、歴史環境をも考慮すると、国の特別史跡や世界遺産にも十分に値するものであり、これらの指定をも目指すべきと考えるとうたってあります。この遺跡の価値、すばらしさを全国に発信するためにも、地元の皆さんの理解を得ながら、基本構想に沿った保存活用を進める必要があると私は考えます。まず、この基本構想に敬意を表するとともに、私は拍手を送るものであります。  また、この基本構想の中で、調査研究・研修施設の整備が掲げてありますが、単に遺跡を整備復元し、県内外から来ていただくだけではなく、古代史の研究の拠点として整備し、常に新しい情報を発信していく必要があると考えるものであります。妻木晩田に行けば弥生のことが、弥生を知りたければ鳥取へ、鳥取へ行けば弥生を通して広くアジアのことがわかるというようになるような調査研究施設が必要と考えますが、どうでしょうか。  その場合、例えば淀江産業技術高等学校の活用等も考えてみてはどうかと思うものでありますが、教育長の見解をお伺いしたいと思います。  次に、妻木晩田の遺跡では現在洞ノ原地区を中心に種々の整備がされてきており、昨年の4月以来、約4万5,000人の来場者があったと聞いています。この貴重な歴史遺産をもっと教育に生かすべきであると私は思います。広さや発見された建物跡の多さなどから、全国最大級の弥生時代の集落跡として、平成11年12月、国の史跡として指定されたこの遺跡は、時の流れの中で人々の営み、暮らしぶりや社会を考える上で貴重な教材であります。また、米子周辺の平野部を初め日本海から米子湾、そしてその名の示すとおり、しなった弓を連想させる弓浜半島が眼下に一望できる豊かな自然は、2000年前の地形と現在とを比較し、学ぶことのできる教材であると思うものであります。子供たちの思考能力、想像力をはぐくむことのできる貴重なフィールドワークであります。もっともっと教育の場に活用すべきものと考えますが、教育長の見解を問うものであります。  妻木晩田遺跡は地域の財産でもあります。地域の人々と一緒になって活用し、地域の活性化につなげていくことが大事であると私は考えています。国立公園秀峰大山、とっとり花回廊、伯耆古代の丘公園、そして海に湯がわく皆生温泉等々とネットワーク化し、さらに私どもが全国に誇れる鳥取人としての持つ豊かな人情、これをも活用していく必要があると私は思うものであります。この遺跡をどう地域の活性化につなげていこうとしていらっしゃるのか、片山知事の御所見をお伺いしたいと思います。  次に、米子~鳥取1時間化の早期実現をということで、何点か知事にお伺いをしてみたいと思います。  山陰本線の米子~鳥取間1時間化構想が打ち出されましてから5年余りが経過をしています。しかし、一向に事業化のめどが立っておりません。一方、島根県では来月7月7日に安来~益田間の高速化が実現をし、松江~益田間162.6キロが約39分間短縮され2時間で結ばれます。この議場におきましても、米子~鳥取間の1時間化問題については、多くの議員諸氏がかなり多くの質問、意見をおっしゃっておられますが、その間の状況を私なりに分析をしてみますと、まず1つには、知事は米子~鳥取間1時間化は必要だと答弁をされていらっしゃる、私はこう思っています。  改めて知事にお伺いをしたいわけですが、鳥取県の交通政策を整備していく上で、鉄道、とりわけ米子~鳥取間の1時間化というものをどう位置づけていらっしゃるのか。2つ目には、いつごろまでにどの程度整備をするという具体的な整備目標は持っていらっしゃるのかどうなのか。そして、JRの考え方はどうなのか、このことについてまずお伺いをしたいと思います。  さらに、これまでの知事答弁から推察いたしますと、事業化のネックは2つあると思います。1つ県民合意、2つ目に事業費負担、この2点に要約できるのではないかと思います。  県民合意について知事は、さきの2月議会で鍵谷議員の質問に対して、パブリックコメントの結果、期待していたほどの反応がなかったという答弁をされていますけれども、知事はどのような形で県民の合意を得られようと考えていらっしゃるのか。  2つ目ですけれども、半数以上の賛成という意見があったというぐあいにアンケートの結果を把握をしていますが、半数以上の賛成意見があればいいのではないでしょうか、どうなんでしょうか。
     さらに3つ目ですけれども、道路整備等進める場合、必ずパブリックコメントというものをとっていらっしゃるのだろうかどうだろうか。必ずしも合意形成が必要なのかどうなのか、そこら辺について改めて考え方をお伺いをしたいと思います。  次に、事業費負担についてであります。事業費について平成10年に公表された数字だと思いますけれども、10分間短縮に40億円という数字が出てきており、これをもとに今日まで議論が進められてきている。そこで、この数字は果たして妥当なものなのかどうなのか。10年に公表された状況から全然移動していないものなのかどうなのか、これが1点。  JRの負担はどの程度見込めるのか、これについてお伺いをしたい。  3つ目ですけれども、仮に10分短縮、40億円ということで想定をしたとしても、島根県が総事業費117億円を支出をしていますが、島根県の高速化事業、あるいは道路整備に要する費用に比べて決して過大だというぐあいには言えないのではないだろうか、私はこう思うわけであります。ちなみに、高速道路は通常1キロ当たり50億円から60億円が必要だと言われています。現在事業化が進められています姫鳥線も、総延長24.7キロが1,380億円、1キロ当たり56億円という想定がされるわけでありますから、ちなみに鳥取、島根県境、山陰道を全部高速化をしたとしますと88.3キロ、総事業費5,000億円前後という数字も出てくるわけであります。こういうことから比較してみて、例えば鳥取県の総合交通政策としてJRを位置づけていくとするならば、高速化事業費というのは決してそう大きな金額ではないではないのかなというぐあいに思うものであります。これについて知事のお考えをお伺いしたい。  そして4つ目ですが、国の支援制度のさらなる充実が不可欠なものなのかどうなのか。国の制度を変更するという格好で国への要請行動を何回か行っておられますけれども、それについて再度お伺いをしたいと思います。  トータルで申し上げて、私は、山陰線の米子~鳥取間1時間化を早急に実現すべきであるということをお訴えを申し上げたい。そして、県民合意や事業費負担、確かにどちらも重要な課題でありますが、どこかの時点で知事がきちっと踏ん切りをつけて、これの事業化に進むべきだと考えるものであります。  以上、2点について質問を申し上げます。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)福間議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に、妻木晩田遺跡の活用についてでありますが、私もここで幾たびとなく妻木晩田遺跡の重要性については申し上げているわけでありますが、この歴史的価値というのは大変大きいと思います。また、青谷上寺地遺跡も同じ県内に出てまいりまして、似たような時期にまた多彩な歴史遺産が出たということで、古代史における鳥取県の位置づけというのが、今後これまで以上に大きくなっていくのだろうと思います。昨日もNHKのテレビを見ておりましたら、鳥取県の素材をもとに全国放送をしていただいておりました。ありがたいことであります。  これを本県の観光資源に生かすということ、これも大切なことだと思います。私はかねて、観光振興には従来のような温泉、観光施設というだけのそういう宣伝ではなくて、鳥取県の観光の背後にある文化、歴史、伝統、行事、そういうものをもっと前面に出して、観光客の視点に立った観光行政をしなければいけないということで、文化観光局などもつくってきたわけでありますが、そういう文脈からいいますと、妻木晩田遺跡などを観光資源として、素材として売り出すにはうってつけのものだろうと思っております。こんな考え方に基づきまして、先般の、先日も触れましたが、切手の素材にも妻木晩田遺跡をお願いをして選定をしていただきました。80円切手でありますけれども、これも県内外にこの妻木晩田遺跡をPRするには大変大きな力になると思います。  あと、これは最終的なものではありませんが、当面出土品の展示室を設けたり、ボランティアガイドの皆さんによって魅力を伝えていただくという取り組みをしたり、いろんなことを今やっております。  今後は、教育委員会妻木晩田遺跡保存活用検討委員会で今検討していただいておりますので、その検討の経過も見ながら必要な整備というものをやっていって、さらに魅力を増していきたい、こう考えているところであります。  県内の高速交通体系の整備で、鳥取~米子間を鉄道で1時間化することの必要性についてるるお話がございました。これまでの経過は、今福間議員がフォローされたとおりだろうと思います。40億円で10分程度短縮をするということについて県民の皆さんがどう考えるかということで、一応パブリックコメントをやりました。それに対しては、確かに半数程度、ほぼ半数ですが──の方がやった方がいいということであります。私も、速くなることはやるにこしたことはないと思います。  それに対してだれが負担をするのかということでありますが、本来はこれはJRという民間企業でありますから、民間企業が負担するということになれば何ら問題はないわけでありますけれども、それが、ただ企業採算ベースで考えた場合に必ずしも投資効果がないということで、企業だけではやらないということで、そこに公共セクターがどれだけ関与するかという、こういう厄介な問題であるわけであります。その辺に難しさがあるわけです。  位置づけはどうかということは、今申し上げたとおりで、私も鳥取~米子間をぜひ今よりも短縮をする、このことの意味は大きいと思っております。やれるものならばぜひやりたい、やっていただきたい、こう思っております。  しからば、整備目標の具体的な年次計画のようなものはあるのかという御質問でありましたが、当面今、具体的なものはありません。  JRの考え方はどうかということでありますが、JRは、最近少し変わってきたように私は思っております。土屋さんが赴任されてきてから少し変わったのかなという感じを受けております。JRの方も以前よりも積極的になっている。したがって、県に対してもより積極的なかかわりを求めてこられているというそういう印象を私は持っております。  その中で、従来40億円で10分程度というスキームだったのでありますけれども、予測であったのですけれども、必ずしもそうでもないのではないか。JRはJRとして、JRの中のいろんな仕組みだとか制度なんかを活用すれば、必ずしも公的な私どもが関与する負担というものがそこまでいくのかどうか、もう一回再点検する必要があるということを伺ったことがあります。今それを待っているところであります。したがって、それをJRの方からお示しになって、その場合は恐らく40億円で10分というよりは、もう少し地元にとっては受け入れやすいようなものになるのではないかなという予測をしているのですけれども、それが提示された段階でもう一回整理をして、そのときにもう一回同じようなパブリックコメントになるかどうか、ちょっとまだ判断しかねておりますけれども、もう一回多くの皆さんの意見を聞くという作業をしてみたいと思っております。現状、今そういうところであります。  幾つか御質問がありまして、道路などで一本一本必ずしもパブリックコメントをやっていないではないかというのは、おっしゃるとおりであります。必ずしもそういうことをやっておりません。しかし、これからはそういうことが必要になってくる時代だろうと思います。  もう1つは、今までとなぜ違うのかというのは、道路というのは地方団体が正面から整備をするというそういう事業分野になっているわけであります。したがって、それなりに国庫補助制度とか地方財政措置がなされているわけでありますけれども、鉄道の場合には原則としては地方団体がタッチをしてはいけないというところからスタートしているわけです。国鉄の時代から。しかし、それではなかなか地域の交通が確保できないということで、例外的にこういうことならばタッチをしてもいいということで、今日の制度と言えるのかどうかわかりませんけれども、若干の仕組みができているわけでありまして、そういう意味では、行政、財政の仕組みの中で、県や市町村が道路に対する行政の向かい方と鉄道に対する向かい方では全く違うということ、それは御理解いただきたいと思います。  高速道路の方がお金がかかるのではないかということでありますが、それはそういう面もあると思いますが、さっき言いましたように、高速道路の場合、全体事業費としては相当かかっても、県の負担ということになりますとさほどでもないということでありますから、一方ではしかし、鉄道に対して県がどれぐらい金を払うかということ、そのスキームにもよりますけれども、国庫からの財政支援措置とか地方財政措置の中での支援措置が見込めないとすると、ほとんどが県費ということになると、両者を比較すると、総事業費では道路の方が高いけれども、県費負担ベースでは鉄道の方が高いということになるだろうと思います。  国の支援制度は不可欠かということでありますが、これは必ずしも不可欠ではありません。なくてもやろうと思えばやれるわけでありますけれども、何分かなりの物入りでありますから、将来の地方財政、県の財政の問題を考えますと、やはり相応の支援措置があった方が安心して取り組めるということであり、したがって、国に対して強く要請をしてきているところであります。  理屈から言いますと、島根県も今日まで鉄道に相当の投資をやってきているわけでありますから、我々が期待をしている国の支援制度がなくてもやろうと思えばできる。したがって、それは財政状況と県民の皆さんのそれに対する需要の度合いといいますか、熱意といいますか、そういうものとの兼ね合いだろうと思います。  いろんな御質問をいただきまして、おおむねお答えしたつもりでありますが、もし欠けているものがございましたら御指摘をいただければと思います。 ◯議長(村田実君)有田教育長 ◯教育長(有田博充君)さきに確定しました妻木晩田遺跡の基本構想につきまして評価をいただきました。ありがとうございます。安心をしないで一層多くの方々のお知恵と力をおかりしながら、よりよい保存活用に努めたいと思います。  妻木晩田遺跡を中心とした調査研究や、あるいは研修施設の整備ということがございました。私どもも全く同感であります。先ほどの知事答弁にありましたように、また一方で出土品で世界にも注目されている青谷上寺地遺跡と一体となった鳥取発の弥生情報、この情報発信のためのみならず、幅広く韓国や中国とのつながり、結びつきをもほうふつとさせる遺跡でありますので、そういう面から多くの遺跡を一体化した研究施設の必要性は私どもも非常に強く感じているところでございます。  場所について一つの例示がございました。確かに今、米子~ソウル便が定期就航したというふうなことも考えますれば、遠く韓国、中国からの研究者も一緒になった幅広い研究施設ができるだけ遺跡の近くにあるという淀江産業技術高校の場所というふうな例示もございましたが、非常に重要な選択肢の一つであると考えております。引き続きまして、より多くの方々のお知恵やお力をおかりしながら、どういう方策がよいのか検討をしたいと思います。  関連しまして、もっと教育の場に活用すべきでないかということでございます。  非常に多くの入場者の方々がございますが、全体からしますと県内の学校の児童生徒、あるいは教職員の入場者はまだ少ないようでございます。学校にもそれなりの事情があるのかもしれませんが、もっと子供たちに夢をはぐくむためにも、学校教育における活用方策にも力を入れたいと思います。  あわせまして、来年度から毎週土曜日、日曜日が休みになります。公民館で行われております例えば高齢者学級などで、子供たちも一緒になって地域でどんどん遺跡も見ていただきながら、いろんな学習を、そして夢を膨らますそういう作業も必要ではないかと考えておりますので、一方そうした県内の多くの地域に対する情報発信にも努めたいと思っておりますし、あわせて既に基本計画の策定に入っておりますが、できるだけ早く立派な基本計画を策定していただくと同時に、今年度も計画しております新たな初期整備にも努めながら、魅力づくりにも努めたいと考えております。今年度やっております例えば火おこし、勾玉づくりでも、約400人の子供たちを含めた参加者もあっておりますし、こうした体験学習が行えるようなそういう私どもみずからの努力も重ねたいと考えております。 ◯議長(村田実君)福間裕隆君 ◯2番(福間裕隆君)2点について要望という格好になるかもしれませんが、申し上げたいと思います。  1つは、妻木晩田遺跡の保存活用、今教育長から答弁いただきました。それで結構です。  要望というのは、整備中と同時進行で結構だと思うのですが、とにかくあの妻木晩田の遺跡の丘の上に子供たちをどんどん行かせるべきだと。あそこから眼下を眺めさせるだけでも、子供たちの気持ちというのは、今までとまた違った思いというのが出るのではないでしょうか。私は、県下の小・中・高を問わず、先ほどおっしゃったように、地域の大人の皆さんもどんどんあそこへ登っていく、それだけでも非常に大きな学習になっていくだろう、自然との触れ合いの一つのきっかけになっていくだろう、そういうような整備を同時に進めてほしい。完璧にすべてできたから来てくださいよということではなしに、そういう運営をぜひしながら、地元と、あるいは鳥取県と、地域と常に触れ合っているというつくりをしてほしい、そのことを要望しておきたいと思います。  山陰線の米子~鳥取1時間化問題について、誤解があるといけませんから、知事に一言申し上げておきたいと思います。  私は、基本的に鳥取県としての総合交通政策というのをどうされるのですかというのが問いたいのです。おっしゃっているように、JRは今民間企業ですから、民間企業に公費の出費というのが限界があるというのも十分承知しています。ただ残念ながら、島根県もそうなんですが、JRあるいは地方の生活路線バス、なかったら地域の崩壊ということが一つには見え隠れするのです。もちろん道路も貴重な交通ネットワークの非常に重要な柱であります。これらをうまくかみ合わせた、この地域特有の交通体系というのの整備を行政が責任を持ってやっぱりすべきじゃないのか、私はそう思うわけであります。ですから、10分40億円という議論もなるほどありますし、民間企業への投資の限界というのもありますが、そのことに余りこだわり過ぎると、鳥取県の交通政策はどうするのですか。極論すると、JRが撤退したらどうしますか。第三セクター方式で智頭急行をようやく整備した。そんなことをまたやるのですか。ですから、おっしゃるように民間の企業であることには間違いありませんが、その力をかりながら鳥取県の交通政策の一環として位置づけていく、整備する、そのことは私は極めて重要な考え方だと思うのです。  同時に、誤解があってはなりませんが、私は比較対象といいますか、10分40億という数字がひとり歩きして、非常に高い高いという議論で今までが来ているように思っていますから、そのために道路整備の費用の対比を出しただけの話であって、山陰道の整備を初め姫鳥線の整備は、もっと積極的に早くやるべきだという思いを持っています。  同時に、鉄道や、あるいは生活路線で確かに人の乗り手の少ない公共バスもありますが、今市町村も一生懸命になって、改めて地域の交通機関をどうしますかということで真剣に向き合っています。そういうことを、やっぱり県、市町村一体になっての行政としての交通政策というものをきちっとすべきだと私は思います。その中の一環として、とりわけ鉄道の活用と同時に、米子~鳥取間の1時間化早期実現ということを位置づけるべきだというぐあいに思って先ほど来申し上げておりますので、そのことについて申し上げて、知事の御見解がいただければ、以上で終わります。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)福間議員のおっしゃっていることで私が誤解していることは一切ありませんので、おっしゃる意味はよくわかります。私も共感をしておりますが、要は問題は、かなりの出費を伴うものでありますから、やはりこれからの時代というのは、こういう多額の出費を伴う場合、しかも今までの地方財政のルールの中で必ずしも県がそういうことに乗り出すことが想定されていない分野でありますから、やはりよほどの合意形成が必要ではないかということであります。  その点で申しますと、10分40億円という、確かにひとり歩きといえばひとり歩きなんですが、こういう政策提示をパブリックコメントした場合に、必ずしもそんなに熱心な賛同、支えがなかったという印象を私は持っております。もちろん、これをしましたのが私が就任をしてそんなに時間がたっていないときであって、今までパブリックコメントになれていませんでしたから、他の分野についてもそんなに大きな反応があったわけでありませんので、今また時間を改めてやると違った反応があるかもしれません。  もう1つは、10分40億円が本当に正しいのかどうかという検証をしなければいけない。本当はもう少しコストが安くなるとか、JR自身の改良の努力によって10分短縮というのがもっと、総合的に見ればもう少し短縮できるのではないかというような推測もあるわけでありまして、その辺を今JRに詰めていただいております。その上でもう一回整理をして世の中に問いたい、県議会の皆さんにも御相談をしたい。その上で、これはやった方がいいという判断がつきましたら、改めて御提案を申し上げたいという考え方を持っておりますので、その旨お答えしておきます。 ◯議長(村田実君)有田教育長 ◯教育長(有田博充君)お答えします。  妻木晩田遺跡であります。現在、初期整備で竪穴住居についての復元、さらには掘っ立て柱建物の復元を計画しておりますが、この作業も子供たちにも見せたいと思います。そして、先日も現地事務所の職員にもお願いしましたが、洞ノ原地区の四隅突出墳丘墓の下で弓浜半島が見渡せる場所に芝生が張ってありますが、その芝生に子供たちが入って座って弁当を食べた後、2000年前を思い起こしながら写生会をやる。そういう芝生に入って座っての子供たちの活動ということも大目に見てほしいというお願いもしてきたところであります。  お話の趣旨は非常によくわかりますので、やはり多くの方々、とりわけ学校教育の場面でさらに積極的に、お話のありました誇れる鳥取人というそういう観点からも、多くの子供たちにも見学させるように努めたいと思います。 ◯議長(村田実君)21番山脇敏正君 ◯21番(山脇敏正君)(登壇、拍手)私は、通告いたしております4点にわたり質問いたします。  壇上における第1回目の質問は極めて簡潔に行いますが、質問の意図を受けとめていただき、何より知事自身による包み隠し事のない答弁を求めるものであります。  第1に、知事の政治姿勢についてであります。  私が、ただいまから問題ありとして質問いたしますのは、片山善博という人は一県民、一私人としてではなく、絶えず鳥取県知事という公人として判断し、行動していると受けとめているがゆえであります。  まず1、知事は平成11年5月に自由民主党の党友になったと聞いておりますが、事実であるのかどうか。  次に2、自由民主党の党友になった動機及び自由民主党の理念、綱領、政策のいかなる部分に共感されたのか。  続いて3、自由民主党党則第74条は、本党の目的達成に協力する者をもって党友とすることができる。第75条は、党友は、総務会の議を経て総裁が委嘱する。第2条は、本党は、党の理念、綱領及び政策を実現することを目的とするとされているのであります。  そこで、知事自身は、自由民主党の目的達成のためにどのような協力を平成11年5月以降されてきたのか。また、今後いかなる協力をしようと考えておられるのか。あわせて、一昨年の知事選挙に当たり、平成11年1月8日、公明党鳥取県本部、平成12年2月12日、民主党鳥取県総支部連合会、平成11年3月8日、社会民主党鳥取県連合と政策協定を結び、それぞれの政党から推薦を得ているのであります。3党からの推薦も大きな力としながら厳しい選挙戦を戦い抜き、当選しておきながら、その直後に推薦決定も受けていない一政党のみの目的達成に協力するということに明確に身を置くという判断をされて、自由民主党の党友になっているのであります。この判断に基づく身の処し方は、推薦を受けた3党に対して信義にもとるものであり、信頼関係に支障を来すばかりではなく、いかように弁明しようとも、客観的には一党一派に偏することを天下に宣言したにも等しい行為であり、まさに不適切な判断に基づく身の処し方であると断ぜざるを得ないのであります。私のこの指摘をどのように受けとめられるのか。  以上4点について、知事の率直かつ包み隠しのない答弁を求めるものであります。  第2に、福祉先進県についてであります。  まず1、バリアフリーという観点から、ユニバーサルデザインという概念に基づく県政の推進についてであります。  福祉先進県づくりの重要な要素として、県立施設を初め公共施設等のバリアフリー化、つまり高齢者、障害者、病弱者、妊産婦、乳幼児などの日常生活または社会生活に行動上の制限を受けている人々に対する障壁の除去に力点を置いて、少しずつではありますが確実に施策の推進が始まっております。バリアフリー社会の実現自体が目指すべき方向の一つであると考えるものであります。  しかし、バリアフリーは障害の社会的存在を前提とし、それらを軽減しようとする考えである。したがって、バリアフリーは障害者差別を温存・助長するものであるとの、車いす使用者であり1級建築士である識者の指摘もあるのであります。  加えて、1970年代、アメリカの建築家であるドナルド・メイス氏によって提唱され、その後、イレーン・オストロフ氏に引き継がれ、1990年7月に制定されたアメリカ障害者法、ADA法制定後、急速に全世界に広まりつつある概念であり、国内においても高知県、静岡県、熊本県、北九州市などでは、既に極めて具体的かつ積極的に施策が推進されておりますだけに、ユニバーサルデザインという概念に基づく我が県における県政の推進がぜひとも必要であると強く認識するものであります。  ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、身体、国籍などのさまざまな特性や違いを超えて、できるだけ多くの人にとって快適な製品や環境づくりを目指す考え方であり、限られた人々をターゲットとしたデザインではなく、高齢者も障害のある人も健康な人も分け隔てなく使えるデザインを目指す考え方であり、単に物づくりの概念ではなく、制度、施設、都市、環境、教育などを含めて社会の仕組みを変えていく思想であり概念であります。ユニバーサルデザインについて、本県庁内においてどの部局においても組織的に検討してきた事例は一度もないとのことであり、残念であります。  そこで、知事自身がユニバーサルデザインという概念をいかに受けとめ、本県行政を進める中でいかに位置づけようとなさるのか。あわせて、先進県事例にも学びながら、ユニバーサルデザインの概念、思想に基づいて具体的にいかなる施策を着実に展開しようと考えられるのか、質問いたします。  次に2、市町村における実効ある福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。  去る2月定例県議会時点で、福祉のまちづくり計画策定の予定のめどが立っていないのは4市及び溝口町でありました。その後、各自治体への県からの働きかけ及び市議会における議員からの重ねての追及にもかかわらず、かたくななまでに計画は策定できないとする鳥取市のような自治体がいまだに存在しているのであります。  同時に、福祉のまちづくり計画策定後の町村であっても、計画策定後の具体的な改善事項は6町2村における12カ所の改善にとどまっているのであります。なぜこのような現状になってしまっているのか、それをどのように分析されているのかという点とあわせ、現状を改善するための方策を具体的にどのようにとろうとされるのか、知事にお尋ねするものであります。  第3に、災害に強い県づくりについてであります。  鳥取県地域防災計画原子力災害対策島根原子力発電所編の素案骨子に関して質問いたします。  去る、本年2月定例議会における代表質問、一般質問を経る中で、知事の決断により国の基準であるEPZ、つまり防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲の範囲外であっても、原子力発電所における原子力災害に対する防災計画を立案することとなったのであります。  それを受けて、今その素案骨子が提示されております。それによりますと、極めて遺憾なことに、その対象地域を境港市、米子市に限定しているのであります。担当課によりますと、その理由は、今回県地域防災計画に島根原子力発電所編を盛り込むことにしているのは、住民の不安解消のためであり、必要な警戒対策を講ずる地域として特に島根原子力発電所に面している米子市、境港市を対象としたものであるとのことであります。  しかし、島根原子力発電所を基点として30キロメートル以内で円をかけば、境港市全域と米子市のほぼ4分の1でありますが、40キロメートル以内で円をかけば米子市の残りほぼ4分の3と日吉津村全域及び淀江町、岸本町、会見町、西伯町、日南町の一部が、50キロメートルで円をかけば中山町、名和町、大山町、溝口町、日野町の一部もその円の中に入るのであります。つまり、島根原子力発電所に面している我が県内の市町村は、境港市、米子市だけではないのであります。  加えて、住民が不安を持っているのは境港市、米子市民に限ったことではありません。鳥取市に住む私自身重大な不安を持っておりますし、東部地域であっても不安を持つ住民は多々おられるのであります。しかも、鳥取県西部地震の際にも多くのことを学び、かつ復興のため具体的にともに実践した兵庫県では、福井県にある原発は県境から約40キロメートル、約60キロメートル、約90キロメートル、約95キロメートル、島根県にある原発は県境から約100キロメートルであるとした上で、兵庫県全域における原子力等防災計画を立案しているのであります。スリーマイル島及びチェルノブイリ原発事故後の災害の実例を出すまでもなく、もしも原子力発電所で重大な事故が発生した場合には、その被害地域は大変広範囲にわたるのであり、兵庫県の判断は地球上で生じた歴史的な教訓をきちんと受けとめた実に理にかなった判断なのであります。  先進事例は率直かつどん欲に、しかも迅速に学びとるという点が片山県政の特徴の重要な柱の一つであると確信するものであります。そこで、お尋ねします。  まず1、島根原子力発電所における災害を想定した鳥取県地域防災計画見直しに際し、現時点ではなぜ境港市、米子市に対象地域を限定しようとするのか。  次に2、本県西部地域全域はもちろんのこと、中部・東部地域も対象地域に加えた防災計画を確立しておくべきであると確信するものでありますが、どのように考えられるのか。  以上2点について、明快な知事の見解を披瀝されたいのであります。  第4に、日本一の健康県づくりについてであります。  健康日本21も受けて作業が進められ、おくれがちになっていたのでありますが、ごく最近、最終案がまとめられました。健康とっとり計画について質問いたします。  まず1、既に1980年代後半から国際的に強く批判されている「自分の健康は自分で守ろう」というスローガンが色濃く残り過ぎている計画になっております。「みんなの健康をみんなの手でつくり育てよう」という観点がまず全面的に出た計画に修正すべきであると確信するものでありますが、この点どのように考えられるのでありましょうか。  念のため申し添えますが、健康日本21では、1980年代の後半になると、個人の努力に基づいた予防活動に対する批判が展開され始めた。予防は個人のみでは実現するものではなく、社会環境の整備、資源の開発が必要である。1986年、カナダのオタワで健康増進に関する国際会議が開かれ、健康増進を個人の生活改善に限定してとらえるのではなく、社会環境の改善が重要であることを確認し、オタワ宣言をして採択されたと強調しているのであります。  次に2、健康とっとり計画を実効性あるものとするため、福祉のまちづくり計画の教訓も生かしながら、いかなる手法で何に力点を置いて推進しようと考えておられるのか。  続いて3、健康寿命の延伸、壮年死亡率減を中心課題としながら、本県独自の3分野を含めて6分野に力点を置いて取り組むことが盛り込まれているのであります。しかし、我が県の実情を踏まえて、どの分野のいかなる課題に優先順位をつけて取り組むのか、明確になっていないのであります。このままでは総倒れになってしまうのではないかと強い危惧を持つものであります。  健康日本21の中でも、取り組み課題の優先順位の必要性を繰り返し力説しております。当然であると考えるものであります。優先順位をつけた各論がなければ、絵にかいたもちの計画になってしまうおそれ大なのであります。優先順位を明確にした上で、具体的にどの課題にまずは重点を置いて取り組みを始めようとされるのか、これら3点について知事の見解をお尋ねするものであります。  以上で、壇上における1回目の質問を終わります。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)山脇議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初に、私の政治姿勢についてでありますが、1つは、平成11年の5月に自由民主党の党友になっているのかということでありますが、なっております。11年の5月に自由民主党の党友になりました。  動機は何かということでありますが、いろんな動機がありますが、1つは、山脇議員が誤解をされているのですが、自由民主党からも実は推薦をいただいているのであります。一番早くいただいているのです。私が出馬表明をする前に、もう推薦決定をしていただいております。平成10年の12月23日であったでしょうか。県連の大会を開かれまして、そこで知事選の候補として片山善博という者を推薦しようということを決定していただいたと思いますが、それを受けて25日であったと思いますが、数人の幹部の皆さんが東京に来られまして、私東京でお会いをいたしまして、出馬の要請を受けたわけであります。そして、12月28日に県庁の県政記者クラブで出馬表明をしたときも、自由民主党の皆さんが付き添いというと変ですけれども、同席をしていただいたわけであります。書面による政策協定は一切結んでおりません。そういう手続はしませんでした。しかし、自由民主党から正式に推薦決定をしていただいているということは事実であります。  そういう選挙のときにいち早く推薦をしていただいたということももちろんありますし、私、知事に就任しましてから、やはり国政との関係というのは大変強いものがありまして、国政に県の要望がよく反映することが必要であります。そのためには、やはり政権政党としての自由民主党の力をかりるということは当然であります。そんなこともありまして、私が判断をして党友になったわけであります。  党友になると、自由民主党の目的達成にいかなる協力をしてきたのかということでありますが、これは協力と言えるかどうかわかりませんが、県連の大会をされるときなどには、私にも出席の要請がありまして、できる限り出席をするようにしております。その他、例えば資金集めに協力を求められたとか、そんなことは一切ありませんし、これからもするつもりはありません。  あと、自由民主党は党の理念として基本的人権を守る、自由主義、民主主義、さらに平和主義を標榜されておりまして、こういう自由・民主・平和の社会を実現するということに私も県政を担当しながら努力をしておりますが、そういうことも広い意味での協力になるのではないかと考えております。  知事選挙で3党と政策協定を結んだにもかかわらず、当選した後、1つの政党の党友になるのはおかしいのではないかということをおっしゃられましたが、先ほど言いましたように、確かに自由民主党以外の3党から推薦を受けましたが、その推薦をいただいたときには、私が自由民主党から正式に推薦をいただいて、出馬要請も自由民主党からされて、その上で出馬をしたということを前提にして3党から推薦をしていただいたわけでありますから、私がその後自由民主党の党友になったからといって、それが例えば裏切りだとか、そんなことにはならないのであろうと私は思います。山脇議員は、私が自由民主党から推薦されていないのに、当選後党友になったというふうにちょっと誤解をされているのではないかと思いますが、そんなことはございません。  3党との間の政策協定は、ごらんいただくとわかりますけれども、県政推進上の問題を重要なものを掲げております。その中では特に、これは民主党との間にもありましたけれども、一党一派に偏しない県政を行うということ、これは私は県政推進上、よく注意をしながら実行しているつもりであります。いろんな政策を実現する、県の職務を遂行する場合に、決して一党一派に偏しない、そのことは肝に銘じております。もし県政推進上に一党一派に偏するような嫌いが見られたということがありましたら、それは具体的に御指摘をいただければありがたいと思いますけれども、私は決してそういうことはしていないつもりであります。  ということで、率直に包み隠さずお答え申し上げたつもりであります。  ユニバーサルデザインという概念でありますが、これは、先ほど私もお話を伺っておりまして、これからの行政にユニバーサルデザインというものの概念を取り入れていくべきだと認識をいたしております。先進的な事例も学んでみたいと思います。この問題についての詳細は、福祉保健部長の方から御答弁申し上げます。  福祉のまちづくり計画でありますが、先般も山脇議員から市町村の取り組みが遅いのではないかという御指摘がありました。私も同様の印象を持っております。やはり福祉のまちづくりというものは、県ももちろんいろんな施策に取り組みますけれども、住民の皆さんに一番身近な市町村が必要なことを計画し実行するということが一番いいのであろうと私も思います。そういう認識で、県として市町村に対し一定の考え方、方針をお示しをしているわけであります。  しかし、なかなかはかばかしく進捗をしない。特に一番早く取り組んでいただきたい市が必ずしも熱心でないということは私も甚だ残念に思っております。市の対応なんかも見たり聞いたりしますと、県が何かおせっかいをしているのかなというちょっと残念な気持ちにもなったりするのでありますけれども、これも地方分権時代の市町村の意思でありますから、県として、それ以上はああせいこうせいと言うわけにはいかないということも御理解をいただきたいと思います。  御質問の中に、なぜ鳥取市はやらないのかというのは、これは私に聞かれてもわからないのであります。私はぜひ鳥取市にやっていただきたいというのは、鳥取市民としては本当にそう思いますけれども、それは市長さんとか市議会の方に聞いていただかないとわからないと思います。
     私の方の職員が聞いたのだと思いますが、それを聞いてみますと、計画をつくるとそれを必ずやらなければいけないから相当の経費がかかる。だから、そのことを考えるとちょっとためらってつくれないのだと、こういう意見があるようでありますが、私はそれはちょっと違うのではないかなという気がします。違うというのは、考えがちょっと違うのではないかなという気がします。やはり必要なものは計画としてつくって、できるところから実行していく、できるようにコンセンサスを形成していくというそういう対応が求められるのではないかと思いますが、とにかく現状は現状であります。  あと、県としてこれからどうするのかというのは、強制できませんので、例えば計画の策定状況でありますとか今後の見通しなんかを広くオープンにするということ、これは県としてやっていいことではないかと思っております。そんなことを検討したいと思います。  原子力発電所の災害を想定した防災計画の見直しを今やっておりますが、おっしゃるとおり、境港市と米子市を対象地域にしております。これは、そもそも政府の方の決まりでは、原子力発電所の周辺10キロ以内ということになっているわけであります。この議場でも、米井議員の質問のときにお答えを申し上げましたが、県として10キロは不都合ですよ、だめですよというだけの今積極的な理由というのは見出しておりません。見出しておりませんので、したがって、10キロはおかしいですよということを国に直接申し上げて、10キロを変えてくださいということは今国に迫っていないのですけれども、しかし、10キロではだめだという理由は見出せないものの、10キロの外にいる県民の皆さんの間にもいささか不安があるということも事実でありますので、その不安をできる限り解消するために何をすればいいのかということで取り組みを始めたわけであります。  その際に、ではどこまでやるのか。20キロがいいのか30キロがいいのか、さらに、山脇議員がおっしゃったように50キロ、60キロ、県内全域という、これはどこで線を引くかということであります。ある種の割り切りであります。やはり、ある程度の必要な限定というのはあるのであろうと思います。我々としては、30キロカバーしていればまずいいのではないかと、こう判断をしているところであります。したがって、御質問がありましたように、中部・東部までやる必要はないのではないかという判断であります。  兵庫県が県下全域を取り込んでいるのではないかということをおっしゃられるのですが、確かに兵庫県は関西電力の何とか発電所からは何キロとかということで一応取り組んだ格好になっておりますけれども、何となく一般的な注意喚起のような印象を受けます。我々がやろうとしていますのは、警戒態勢を具体的にとっていくということで、より実践的な計画でありますので、ちょっと計画の性格が違うのかなという気がします。したがって、兵庫県のようなやり方をするのであれば、それは例えば県下全域ということをやるのはそんなに難しいことではありませんけれども、それによってどれほどの意味があるのかなということも考えておかなければいけないと思います。要は選択の問題であろうと思います。  執行部としては、今私がお答えしたような考え方を持っておりますけれども、山脇議員以外の他の県議の皆さんもどうお考えになるか、もし御意見がございましたら、また別途の機会にお聞かせいただければと思います。  健康とっとり計画でありますが、一生懸命今つくってまいりました。これは、従来の第何次総合計画というものをこれからはつくらないということ、それで、それぞれの重要な分野について政策目標となるような、目標を達成するための手段、さらには事後評価が可能なようなそういうものをつくりたい、単品でそれぞれつくっていきたいということを申し上げておりましたが、それの一環でできているものであります。  その中で、山脇議員は一定の評価をしていただきましたことは大変感謝いたしますが、個人の努力というものに重きを置き過ぎているのではないかと、こういう御趣旨ではなかったかと思いますが、私は、この健康づくりというのは、個人と、行政といいますか地域社会といいますか、両面が必要であろうと思います。個人だけで済むものでもないし、さりとて個人抜きにして考えられるものでもない。行政や社会全体としては、例えば啓発をするとか、健康診断の機会をふやすとか、必要に応じて指導をするとか、医療機関の整備をするとか、いろんな役割があることは当然であります。それは県としてやっていきたいと思います。  しかし、一方、本当に健康になろうと思いますと、やはり個人の自覚と努力というものは欠かせないと思います。すべてがみんなの健康はみんなで守ってあげますといって、個人の努力が背後に引いてしまうということもおかしいのではないかと思います。特に今問題になっております生活習慣病なんかは、本当に個人の自覚と努力抜きにしては達成、防御できないと私は思います。食事の問題、バランスのとれた食事をする、運動を欠かさない、ストレスとの関係で言えば心の持ちようを変える、そんなことはやはり個人の努力に期待するところが大きいわけであります。そういうことを今回は強調したという面はあると思いますけれども、それは私は当然のことではないかと思います。  この健康とっとり計画をどういうふうにして実効性あるものにするかということでありますが、やはりせっかくつくるものでありますから、県民の皆さん、関係機関の皆さんによく知っていただいて、そしてそれぞれ実践をしていただくということが必要だろうと思います。福祉保健部長の方から詳細を御答弁申し上げます。  その健康とっとり計画の中に6つの分野が盛り込んであって、優先順位をつけなければだめではないかということでありますが、正直言いまして、この6つの分野、すなわち健康増進、生活習慣病対策、寝たきり予防、心のケア、アレルギー性疾患対策、歯の健康、すべて重要だと私は思います。どれかは重要だけれども歯は要らないというか優先順位が劣後すると、そういうものでもないのだろうと思います。あえて行政の供給者側の方で優先順位をつけるよりは、それぞれの県民の皆さんのニーズに従って、県民の皆さんの方でおのずから優先順位をつけていただく。それに対応して個人で実践していただくし、行政もそれに対応するというそういう視点が必要ではないかと思います。したがって、あえてこの6つの対象分野についてどれが優先する、どれが劣後するという仕組みは私はとりたくないと思っております。 ◯議長(村田実君)藤井福祉保健部長 ◯福祉保健部長(藤井喜臣君)お答えいたします。  最初に、ユニバーサルデザインについてでございますが、知事が申し上げましたように、ユニバーサルデザインの概念というのは取り入れていくべき方向と認識いたしております。  県では現在、福祉のまちづくり条例というのを制定しておりまして、バリアフリー化のための取り組みというのを進めておりますが、その中で、近年整備する県立施設については、計画の段階から福祉関係者等の意見を聞きながら、すべての人が利用しやすいように配慮しておりまして、これはユニバーサルデザインの考え方に近いものではないかと思っております。民間施設の福祉のまちづくり整備基準適合施設も、新しくつくられる施設を中心としてふえているところでございます。県行政のほかの分野でも、このユニバーサルデザインの考え方が生かせるかどうか、他部局にも働きかけて検討していきたいと思っております。  次に、健康とっとり計画の推進についてでございます。  計画は、今最後の調整をしているところでございますが、今後、健康とっとり計画策定委員会というのを改組いたしまして、これを推進するための会議を設置したいと思っております。そこでは計画の実践や評価、その評価に基づいた計画の必要に応じた見直しを重ねていきたいと思っております。  この計画では、県民の皆さんにわかりやすいように数値目標を設定しておりまして、特に内容や趣旨を広く県民の方々に理解してもらうための普及啓発に力を入れて取り組むこととしております。今後、保健所等を通じまして、出前健康講座というような格好で、さまざまな団体の会合でありますとか、公民館あるいは老人クラブ等に出向くなどによりまして周知を図っていきたいと思っておりますし、普及啓発のためのリーフレットの作成、配布、マスコミの方々の協力を得ての広報、医師会・健康対策協議会等の広報誌、機関紙等の掲載をお願いしていきたいと思っております。  また、この計画を推進するためには、県だけではなくて、各市町村においてもそれぞれの市町村での取り組みの方向について住民の皆さんとよく話し合っていただいて、実情に応じた健康づくりに取り組んでいただきたいと思っておりますし、働きかけていきたいと思っております。 ◯議長(村田実君)21番山脇敏正君 ◯21番(山脇敏正君)まず、1番の問題でありますが、知事は、それぞれ政党の中で自由民主党からイの一番に知事自身は知事選挙の際に推薦を得ていた、山脇はそれを知らぬ、間違っていると、何かの首をとったように延々自慢げに言われましたけれども、仮にそうであっても、当然のことです。4党から推薦を受けたわけでしょう。政策協定があったのは3党です。推薦を受けたその直後に党友になるという感覚が私はわからないのです。立候補を決意したときに党友になられたというのならまだしも、政策協定をそれぞれ結んで、それぞれの政党から大変な支援をもらっておって自由民主党の党友になる、自由民主党の目的達成のために協力する者にあなたはなったのです。そうですよ、個人なら自由ですよ。特別公務員なら政治活動の自由もあるということは承知した上で言っておる。しかし、首長たる公人に私は聞いているのです。しかも、知事選挙の直後というそういう不見識なことはない、私はそう考えるわけであります。  そこで、知事は一つ、自由民主党の党友になったのは、自由民主党の理念にも賛同する部分があると。賛同する部分というより協力というところで自由主義、民主主義、平和主義というのを上げられましたけれども、大会に参加するということとあわせて。これは理念でもあるわけです。新しい自由民主党の綱領というところにも書いてあります。  しかし、一方でこう言われたのです。課題解決するためには政権政党である自由民主党の力をかりる必要があると。ならば、ほかの党が政権政党であったらほかの党の党友になられるのですか。そういう問題ではないでしょう。自由民主党に一党一派に偏したのです、あなたは。広辞苑を引きましたよ、私。一党一派、一つの党派に偏する、一方に偏る、公平でなくなる。これが一党一派に偏するという言葉だそうです、広辞苑で。言葉のとおりであります。  先ほども知事は、民主党鳥取総支部連合会との政策協定のイの一番には、一党一派に偏しない県政運営を行うとなっていると言われた。一党一派に偏した県政運営を行った覚えはないと知事は言われた。ならば私は言いたくなるのです。あなたは当選後、我が県の課題解決のために、我が県出身の国会議員の方々といろんな接触を持たれました。しかし、社会民主党の国会議員の方もおられた、過去形になってしまったけれども。民主党の国会議員の方が現におられる。どれだけ会っておられますか。行動日誌を見てもそんなにないですよ。自由民主党内に議員連盟をつくられることには非常に熱心だけれども、我が県出身の自由民主党以外の国会議員の方をも巻き込んでやるということ、ゼロとは言わないけれども熱心さが足りない。明らかに強弱がある、一党一派に偏しているのです、あなたは。私はそう言わざるを得ないのです。その点どう考えられるかということなのであります。  偏った県政運営を行っていないと言われたけれども、私、今例示しました。県政課題を解決するために国会議員と会う会い方、そこにひとつあらわれ方が違うじゃないかということを言いました。  もう1つは、民主党さんとは11番目でこういうものを結んでいるのです。信頼と相互理解のもとに協力・維持関係を保ちつつ、こうなっているのです。当選した直後に一政党の党友になっておられたと聞いたら、ほかの政党3党は、本当に信頼と相互理解のもとに協力関係を維持できるということに障害にならぬと思われますか。私は障害になると思っているのです、当然のこととして。それはないでしょうということにほかの政党の方は考えられますよ。この点どう思うか、お尋ねしたい。  同時に、知事は党友だからいまだにそういう行動をされるのかどうかわからないのですが、直前に迫った参議院議員選挙鳥取選挙区の選挙に対して、自由民主党の現職予定候補のところにしか顔を出されていませんね。民主党の候補者もここにおられる。社民党の候補者もおられる。(「新社会は」と呼ぶ者あり)いない。けれども、比例区はいるのですけれどもそれはいいです。なぜ自由民主党の人のところだけ行くのですか。ただ1名区ですから、3人のところへ行って3人頑張ってください、これはあり得ないことなのです。けれども、1人のところに行くということは、その人の当選を願っているから行くのでしょう。一党一派に偏してその人の当選を願って行くのです。それは党友であれば当然の行為です。あなたは自由民主党がもろもろやろうとすることに協力しなければいけないのだから。党友の義務としては、選挙に断固頑張れ、これは党友の義務になっています。党則を読めば。党友は協力するものなのです。だから、あなたは党友として素直に協力されているのです。素直に協力されているのだけれども、それがおかしなことになっていますよということを私は言いたいのです。  しかも、衆議院選挙のときには、マスコミ人が立候補し、民主主義の危機を感じるから、街頭も含めて、1区において特定候補と一緒に民主主義の危機を打破するために頑張るのだといって議場で何回も答弁された。今回そういう状況がありますか。ないですよ。にもかかわらず一候補のところだけ行く。一政党公認候補のところだけ行く。論理が合わないのですよ、あなたは。一党一派に偏しているのです、客観的に。偏した上で県政務を行っていると断ぜざるを得ないのです。どうですか。私はそう受けとめますし、多くの県民はそう受けとめるというふうに思うわけでありますが、どうかということであります。ここのところを声を大にして。時間とり過ぎたものですから。  福祉先進県についてですが、ユニバーサルデザインは必要であると言われた。実際に先進事例を学びたいと言われた。学んでもらったらいいのです。ただ、知事、申し上げたいのは、このユニバーサルデザインのことを取り上げますよということは、担当の方には大分前から言っているのです。それなりにざっと勉強していただく時間はあったはずだと私は思う。それを先進県を学びたいと今の時点で言われたって困るのです。  知事はユニバーサルデザインという概念は必要だということは認めたけれども、それで県政を進めていきたいと言ったけれども、本県行政を進める中での位置づけ、重み、どの程度の重みを置いていくのかということも知事自身の言葉で答弁されたいと私は質問しているわけです。その答弁がないのです。先進県のざっとした概要的な具体事例をつかんでおられれば、本県でもどの程度のウエートを置かなければいけないかというのは、きょうの答弁に出るはずなんです。私は、率直に申し上げて議会に対する軽視だと思います。きょうの時点で先進事例を学んでこれから考えたい、具体論は福祉保健部長に答弁させるなどというのは。私は以前から言っているのですから、それは知事に当然届いているはずです。どうですか。ぜひ具体的に、そういう概念に基づいてこういうことはぜひやりたいと思うと、知事自身の言葉で言っていただきたいということであります。  市町村における実効性ある福祉のまちづくりについてですが、鳥取市のような自治体があるというふうに例示したら、鳥取市のことは鳥取市に聞いてもらわないとわからないと言われた。知事、それは県の責務を放棄した答弁なのです。県条例には何と書いてあるか。10条、県は市町村、事業者及び県民と一体となってその推進体制を整備し、福祉のまちづくりの実現を図るものとする。11条、県は福祉のまちづくりを推進するために必要な指導──指導という単語は私は好きではないけれども、指導、助言、財政上の支援、その他の支援措置を講ずるものとする。市町村とタイアップした県の責務はちゃんとあるのです。だから、なぜそういうところにとどまっているのか、それをちゃんとつかんで、その改善策を見出して広げていくというのは県の責務なのです。鳥取市に聞いてもらわないと困るなんて、そんなすっとぼけた答弁してもらったって困りますよ。私はすっとぼけた答弁だと思います。再度答弁願いたい。なぜこうなってしまうのか。県として何が不足しているのかということを私は問うているのです。県としての不足している部分を問うているのです。そこをどう考えられるか、再度問いたいのであります。  原子力防災のことですが、知事は、30キロぐらいでいいと思うと言われました。よって、境港市と米子市だと言われた。よいと判断するということであって、これも科学的根拠、断定的なものは何かというと、それは原子力委員会のあの話に戻ってしまうので難しいことになるわけですけれども、30キロがよくて40キロが悪いというものでもないのです。それなら、40キロがよくて50キロが悪いということでもないということになって、全県だという話になってしまうということになるのですが、私はやはり30キロも40キロも、少なくとも鳥取県の西部地域というのは50キロ範囲でくくるというのは、全域ひっかかってしまうのです。全部。日吉津村というのは35キロのところにあるのです。35キロで線を引くと日吉津村は半分以上が入ってしまうのです。だから、30キロでいいという問題ではないはずだと。それは、スリーマイルの事故であり、チェルノブイリの事故の教訓のはずだということを申し上げているわけです。  もう1点、県民の不安の解消ということを言っている。不安は両市民だけが持っているのじゃないということについて十分認識を持ってもらいたいということなのです。その理由については兵庫県のいいことを学べばいいじゃないですか。本県と兵庫県とちょっとニュアンスが違う防災計画のようだと。それは違うのかもしれない。しかし、啓発行為、中部の人にも東部の人にも啓発行為をしていく、知らない人にも危険性はゼロじゃないということを教えていく、これが防災の要諦でしょう。西部地震の教訓の第一でしょう。事実を余り知らしめて要らざる不安を起こしたらいけないというような隠し事はいけないと。全部情報をオープンにして、未然にできることを全部やっていくということこそが防災の要諦だというのが、西部地震の教訓の大きな一つでしょう。それと同じ感覚で原子力防災にも考え方を整理していただきたいということでありますが、いかがかということであります。  あと、日本一の健康県づくりの健康とっとり計画についてですが、個人が前面に出ているということで、生活習慣病では個人がそういう理解がないとどうにもならないと言われましたけれども、知事、それは違うのです。生活習慣病こそ、周りの支援がなければ本当になくならないのです。知事、とんでもない考え間違いをされています。食生活の問題、減塩の問題、バランスのとれた栄養の問題、睡眠の問題、ストレスの問題、知識がなければどうにもならないのです。知識があってもしない人はどうしようもないですよ。だから、両面が必要だということは認めるけれども、より規定的に重要なのは何か。行政及び全部の機関が社会的支援にかかわって、ここを持ち上げていくということが第一にならなければいけないと私は言っているのです。  例えば禁煙の問題にしたってそうでしょう。わかっちゃいるけどやめられないということがあるわけです。しかし、禁煙バッチとかいろいろいっぱいある。どれが本当に正しい治療法なのかわからない。本県の禁煙外来なんてほぼゼロに近い。だから、禁煙したいけれども、それを手助けしていく機関、啓発、そういうものがないと、禁煙一つとっても喫煙というのは生活習慣病にとって非常に重要な一つですよ。それをなくしていくのだとなっていかないのです。よって、知事の考え方は間違っているというふうに考えるわけでありますが、いかがでありましょうか。  それぞれ答弁願います。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)山脇議員の再度の質問にお答えを申し上げます。  最初に、私の政治姿勢の問題でありますが、伺っていまして、山脇議員の属しておられるというか、当時属しておられた政党と政策協定を結んでいないのにそういう質問が出るというのはやや奇異な感じがしないでもないですが、私は一人の政治家として政治活動を行うのは自由だと思います。県政運営の問題と一人の政治家として政治活動をするのは、やはり別だと思います。そのことは、我が国の各種の政治家に関連します法律でも認められているはずであります。  公人であって私人の部分はないということは私はないと思います。知事という公職にあって、そこで規制を受けるという、当然これはあります。しかし、私人としての部分も当然持っております。私生活もしておりますし、公職を離れたところでの個人の政治家としての活動というものも認められているところであります。そのことはよく御認識をいただきたいと思います。  幾つかおっしゃられた中で、自由民主党が政権政党だから党友になったのか。ならば、どこの党であっても政権政党になれば党友になるのかとおっしゃられましたが、政権政党だからそれだけでなったということを申し上げたわけではないです。自由民主党の基本的人権を守る自由主義とか民主主義とか平和主義とか、そういう理念に賛同するということ、政権政党として私自身が自由民主党に協力をいただくということが随分あるものですからそんなこと、ほかにもありますけれども、そういうことを総合的に判断して、私の判断として党友になったということを申し上げたわけであります。  仮に我が国で私と全く政治理念を異にする政党が政権についた場合、それは恐らくならないと思います。それはそういうものだろうと思います。  国会議員にも、自由民主党以外にも当時社会民主党の国会議員もおられたし、今も民主党の国会議員がおられるのだけれども、つき合い方が違うではないかということをおっしゃられますが、それはそういう面はあります。やはり県政の課題を実現するために、どこをどうすれば一番効果的・合理的であるかという判断が、それは当然あります。濃淡というのはどうしてもあります。そのことは御理解いただけるのではないかと思います。やみくもに時間とエネルギーを費やすというわけにはやはりいかないわけで、一番合理的に合目的的にどうすればいいのかということ、この判断は要るのだろうと思います。  自由民主党以外の政党から推薦を受けていたのに、就任してすぐ自由民主党の党友になったということは信頼と協力関係を壊すのではないかということをおっしゃられましたが、このくだりは私と民主党との関係でありまして、山脇議員から御心配いただくのはありがたいのでありますけれども、これはあくまで私と民主党との関係であり、私は壊れたとは思っておりません。  選挙について一党一派に偏しているのではないかということでありますが、一党一派に偏しないと言っているのは、県政運営について一党一派に偏しないと私は申し上げているし、自由民主党以外の政党との間に政策協定を結んだのであって、そのことは誤解をしないでいただきたいと思います。一党一派に偏しない県政運営を行うということで、これは私は実行しているつもりであります。  その選挙に際して、衆議院の総選挙のときにも特定の候補を応援をいたしました。それは、先ほど言いましたように、一人の政治家としてだれを推すのがいいのかということを判断した上でのことであります。それをもって山脇議員は、私が自由民主党の党友になったから強制されて協力を求められているのではないかということをおっしゃられたのですが、それはそんなことはありません。ここでこんなことを申し上げるのはよくないかもしれませんが、総選挙のときも実は特定の候補者の応援はしましたけれども、別の自由民主党の候補者の陣営からはなぜ来てくれないのかというような御批判もいただいたわけでありまして、自由民主党だから、党友だから協力を求められてどうこうしたというそういう性格のものではないと思います。  参議院の選挙でどうか、今まで特定の候補のところしか行っていないではないかというのは、そういう面はあります。私は、赴きまして、その候補者が今日まで国政でどういう働きをしたのか、本県とどういう関係があったのか、こういうことを中心にお話をし、御紹介をしている、そういう活動をしております。  ユニバーサルデザインの問題について、事前通告をしていたからちゃんとよく勉強して調べて、ここできちっと何がしかの成果品を示すべきではないかというお話でありましたが、私は、議会のやりとりというのは山脇議員の考えておられることと私の考えていることとちょっと違うのであります。それは、議会で質問が出るからにわか勉強をして、そこで自分ではよく知りもしない、そしゃくもしないことを披瀝するという、それは本当の議会の上のやりとりではないと思うのです。山脇議員から今新しい概念について御紹介かたがた御提案があった。そのことを私が伺って、啓発されて啓蒙されて、それで取り組もうとする、そういうきっかけになる、このことの方が私は重要だろうと思うのです。そのところは山脇議員と私の考え方が違うかもしれませんけれども、私は議会というのは、私が常に日ごろ考えていること、やっていることに対して問われる、それは当然そこで答えなければいけない。けれども、知らないこと、それを何か徹夜で勉強してそこで披瀝する、これは本当のやりとりではないと思っております。ですから、山脇議員は先ほどの私の答弁は不満かもしれませんけれども、その辺の違いから来ることではないかと思います。  福祉のまちづくりで鳥取市の問題を取り上げて、それはすなわち県の怠慢ではないかとおっしゃられましたが、やはりそれは異論があります。県は県としてのやるべきことをやろうとしておりますし、市町村に対しても県として望むことを提示をしてアドバイスもしているわけであります。そこから先やるかやらないかというのは、地方自治の時代に市町村が判断をされる、決断をされることであります。やられるところもあるし、リラクタントなところもあるわけで、それをねじ伏せてでも県がやらせるということになったら、これはもう地方自治ではなくて、市町村行政ではなくなってしまうわけであります。  市長も市議会議員の皆さんも市民の代表であります。市民の代表がやる気がないということは、それは市民の熱意がないということにもつながるわけであります。私も一市民としてはぜひやっていただきたいと思っておりますけれども、その辺がなかなか通じないということかもしれません。とにかく結論は変わりませんけれども、なぜやらないのかというのは鳥取市に聞いてみないとわからないというのが私の率直な気持ちであります。  原発の問題で、30キロであっても40キロであってもいいのではないかというのは、選択の問題でありますから、どっちがよくてどっちが悪いというものではありません。法律では10キロとなっているものを、我々はあえて30キロにしようと言っているわけでありまして、山脇議員は40キロにしろとかもっとふやせということかもしれませんけれども、選択の問題でありますから、先ほど申し上げましたように、県議会の多くの皆さんがどうお考えになるのか、これも私どもとしては大変気になるところでありますので、もし御意見があったらお聞かせいただきたい。私どもは30キロでいいのではないかと申し上げているわけでありますけれども、別段それに絶対こだわるというものではありません。  県下全体を入れて啓発をやるべきではないかというのは、啓発は、昨年であったでしょうか、講演会などもやったのですけれども、特段計画に入れていなくてもやれるわけであります。これまでもやっていますし、これからも必要なことはやっていきたいと思います。あくまでも本県の防災計画というのは、警戒態勢を敷くという前提のもとで何をやるべきか、どこの範囲でやるべきかということを書くわけでありますから、その辺は区別してもいいのではないかと思います。  健康県づくりでありますが、生活習慣病についてもっと行政が前面に出ろと言われるのですが、私は、先ほど申し上げましたように、個人の問題、行政の問題、両方あると思います。行政が何でも手取り足取りというのは、必ずしもいいことではないのではないかと思います。やはり個人の自覚、実践ということが必要なのではないでしょうか。禁煙の例を取り上げられましたけれども、特にそうであります。幾ら行政が禁煙禁煙と言っても、個人がいいんだということで続けられれば何にもならない。そういうところに持っていって、まさか吸いかけたところを役人が行って取り上げるというわけにはいかないと思うのです。個人の自覚を促す、これは行政として啓発は当然やりますけれども、しかし、啓発をしてそれを受けとめていただく個人の方で、県民の皆さんの方できちっと自覚をして実践をしていただくということ、これも行政の役割と同様に重要だと私は思っておりますので、その旨申し上げたわけであります。 ◯議長(村田実君)21番山脇敏正君 ◯21番(山脇敏正君)知事、最初に申し上げておきますけれども、極端な例を出されて反論を加えられるということはやめてください。たばこの例なんかも、私はそんなこと一つも言っていません。鳥取市をねじ伏せろなんて一つも言っていませんよ。極端な例を出されて、論理上議員に打ち勝ったなんて自己満足はまさかされていないと思いますけれども、それはやめてくださいということを申し上げて、時間がなくなってきたので申し上げますが、最初の知事の政治姿勢の問題は、私人と公人の分野はあるということは私は知っているのです。けれども、公人たる知事なのです。県政運営上の問題として私は問題にしているのです。国会議員のところでも、本県出身の国会議員のところでも強弱をつけて行くというのは絶対によくない。他党との政策協定のことに口出すなと言われたけれども、今、そのとおりといって何人か私を支援するやじがあったでしょうが、何人も。それを聞いていないですか。そういう感覚を持たれるのですよ、当然のこととして。どうなのかということです。信義にもとると思わないのか。再度答弁願いたい。  ユニバーサルデザインのことについては、つけ焼き刃は確かにいけません。ただ、何があったのか知らないけれども、本会議中にもかかわらず、きのう東京に行かれたそうです。やむを得ぬ事情があったと思いますけれども。そういう時間を割いて議会に集中していただきたい。議会重視を徹底していただきたいということを強く強く申し上げて、何かあれば答弁をお願いします。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)政治姿勢の問題で信にもとるということをおっしゃられたのですが、選挙で特定の一人を選ぶということになりますと、やはり選択をせざるを得ないということがあるわけであります。赤勝て白勝てというのは、私は見識がないことになると思うのであります。  もう1つは、何もしないで布団を引っかぶって寝ているという、ガラパゴス島に行くという手もあるのでありますが、やはりそれも私の信条には合いません。やはり国政というのは県政、県民の生活に大変大きく影響するものでありますから、それから遠ざかって忌避してしまうというのも、これも私の信条には合いません。これは、万人がそうあるべきであると申し上げているわけではないのです。私の場合を申し上げているわけであります。  昨日は、議会中でありますが東京に行ってまいりました。これは、市町村合併の問題についてヒアリングがあったわけでありまして、自由民主党の政調の地方行政部会とか地方制度調査会とか、片山総務大臣とか総務省の幹部とかが出ておられる会でありまして、私と広島県の知事、岡山県の知事、徳島県の知事以下、中四国の幹部が出たわけであります。確かに議会中ではありましたけれども、それもまた大切な業務であります。  正直言いまして、私も実は大変なのであります。議会の前に行ってくるというのは大変なのでありますけれども、あえて行ってまいりました。そのことによって議会を軽視しているということではありません。精いっぱい仕事をしておりますので、御理解いただきたいと思います。 ◯議長(村田実君)6番山崎建治君 ◯6番(山崎建治君)(登壇、拍手)県議会公明党を代表して質問をいたします。  私たち公明党は、人間主義の政治を定着させ大潮流にしたいと考え、環境、医療、福祉、人権、教育など、自民党単独政権では考えられない実績が数多く生まれ、庶民の目線に立った政策が着実に進んでおります。  小泉総理も3つの構造改革を訴え、その中で、社会の構造改革で取り上げた共助の社会をつくるというボランティア活動の重視、ごみゼロ作戦の展開、保育所の待機児童ゼロ作戦、バリアフリー社会をつくる、循環型社会をつくる、いずれも公明党の政策を取り入れさせていただいたとおっしゃっておりました。国民の人気のある小泉車が登場したが、ボンネットをあけてみたらメイドイン公明党であったとマスメディアで報道されております。  私も、政権与党として県政の立場で頑張っていく立場であります。知事も先ほどお話しになっておりましたが、公明党にも心の片隅で準党員の気持ちで、今後ともよろしくお願いをしたい、このように思います。  なお、政策協定でありますが、私たち公明党は平成11年1月18日、各政党では一番最初に政策協定をしたと自負をしておりますが、申し添えておきたいと思います。  それでは、早速連続25回目の一般質問に入らせていただきます。  最初に、森林涵養に関する税の創設についてお伺いいたします。  現在、環境に関して、国民のみならず地球規模の大きな課題となっていることは周知の事実であります。我が国においても、国レベルでは環境税とか、高知県等の地方団体でも水源税を検討していると伺っているところであります。そして、我が鳥取県においても、先日、県内で最終処分される産廃に、(仮称)産業廃棄物処理税を創設し、環境対策に資するとのことで、県議会全員協議会で説明を受けたところであります。その目的も、産業廃棄物の適正な処理を推進する費用に充てるために課する法定外目的税であり、まことに時宜にかなっているものと思うのであります。  さて、仄聞するところによれば、来月3日、4日にわたり、三朝町において市町村議員を中心に、森林交付税創設促進全国議員連盟の定期総会が開催され、全国から約300名余の方が参集されるとのことであります。この森林交付税とは、現行の地方交付税交付金に森林面積に応じた交付額を設けるものであり、空気の供給や水源の涵養機能を有する森林を後世に守り残していくためのものであると聞いております。その意義ある総会に、記念講演者として我が片山鳥取県知事が出席をされるとのことであります。県民としては、税財政の専門家である知事が招待され、そのような場で講演をされるということは、大変力強く思うところであります。知事の御所見を伺っておきたいと思います。  また、以前から議会でも質問があり、また県が検討されている森林涵養税の検討状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。  次に、森林の公益的機能を守るという見地から、この議員連盟が創設されようとしている森林交付税をぜひ実現すべく、鳥取県も国にその創設について要望されるお気持ちがあるのか、お伺いをいたします。  次に、環境問題についてお伺いいたします。  21世紀を迎えた私たちの社会で取り組まなければならない最優先課題の一つであり、20世紀の負の遺産としてPCBの問題があります。かつてカネミ油症事件の原因となり、特別管理産業廃棄物に指定されているPCB使用機器について、第1に、鳥取県の事業所における管理並びに保管の実態はどのようになっているのか。  第2に、県並びに教育委員会、県警察本部のおのおのの現時点での分散、保管、管理の実態はどのようになっているのか、お伺いいたします。  第3に、本年度新たにPCBの処理をするため、県有施設PCB含有照明器具設備回収事業費に1億7,900万円が計上されておりますが、県並びに県警本部は、おのおの具体的にどこに、どれぐらいの量の処理をされるのか、処理されたPCB廃棄物をどこに管理、保管をされるのか、お伺いいたします。特に学校、福祉施設など、到底PCB保管にふさわしくない施設については、より適当な他の施設に移すか、あるいは集約化を図るべきであると思いますが、伺います。  また、鳥取県や民間事業所のPCBの廃棄物が大量に処理され、現物をいつまでも保管を続けるわけにはいきません。今後どのように取り組んでいかれるのか、方針を示していただきたいと思います。  次に、文化立県と観光振興の取り組みについてお伺いいたします。  さきの定例県議会における知事の提出議案の説明で、観光振興は文化、歴史、自然などと一体となった施策の展開が必要であるとし、本県のすぐれた歴史や文化、豊かな自然について、新たな魅力を掘り起こし、観光資源として生かすための体制を整備されたところであります。21世紀の新時代に文化をはぐくむ行政を県政の柱の一つとして積極的に取り組み、自然環境や都市空間、文化の分野において、鳥取県がふるさとの素材を大切にし、地域に愛着と誇りを持てる文化社会を目指さなければなりません。  これから地方分権、地域の時代であり、地域社会に暮らす人々が主役の時代にみずからが生活する地域を豊かに創造し、地域資産を通して地域社会をより積極的に理解するシステムづくりは、住民参加を基本として自治体、企業を初め、地域社会を構成する団体の支援と協力を得ながら実現していくべきであります。運営を通して伝統的な地域文化の継承を図り、新たなる地域文化を創造し、新しい文化を生み出していくのであります。  そこで、知事はどのような考え方で文化立県と観光振興を標榜し、今後どう取り組んでいかれるか、その基本的な認識をお伺いいたします。  次に、文化観光立県の実現を図るためには、当然文化観光の振興を通して経済や文化の活性化を促し、生き生きとした地域づくり、人づくりにつなげ、ひいては21世紀の鳥取県を創造するという大きな目的に向かうものであります。その趣旨を県民が広く認識し、県民一人一人が自発的に参加し、活動することが肝要であると考えます。そのためには、鳥取県文化観光立県推進協議会を設置する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。  また、本県を訪れる観光客に、鳥取県に来て本当によかった、また訪れたいと感じてもらうために、もてなしあふれる心の対応が大切であろうと考えます。そこで、観光事業者等を対象としたセミナーの開催や、県内の各地における観光リーダーを養成する文化観光立県もてなしの心サポーター制度など、ホスピタリティーの向上に努めるべきと考えますが、お伺いいたします。  次に、現在、我が国の海岸線の多くで急速に浸食が進んでおります。特に日本海側では、厳しい冬の高波等による影響や河口等の護岸整備による海岸への砂の流入の減少により、海岸線全体が後退傾向にあると言われております。我が県においても、鳥取砂丘を初めとして観光や農業の貴重な資源となっている砂浜の多くが、日本海の荒波による浸食を受けて急速にやせ細っており、まことに残念なことだと感じざるを得ません。また、このような海岸の浸食は、我が県の観光や町の活性化に大きな影響を与えているのであります。  一例を挙げますと、気高町では、浜村海岸の砂浜をコースとしたなぎさマラソンが毎年開催され、大変な人気を集めておりましたが、近年、浜村海岸の浸食が進んで砂浜のランニングコースを設けることが困難となってきたことから、この大会もことしついに中止されることになったのであります。このマラソン大会は、平成元年に始まり、昨年まで12回開催されておりますが、なぎさを走るというユニークなコースを持つことから、一時は県内外から1,000人以上の選手が集まるほどの大変な盛り上がりを見せており、貝がら節のふるさと、浜村温泉を全国にPRするための重要なイベントとなっておりました。それだけに、この大会の中止は、地元浜村温泉の振興に今後少なからぬ影響を与えるものではないかと心配されるのであります。  さて、我が県には、現在浸食の進んでいる砂浜が10カ所ぐらいあるということですから、海岸の浸食が地元に与えるマイナス効果は決して浜村だけの問題ではなく、海岸線沿いの市町村全体にかかわる問題なのであります。  そこで、我が県における海岸線の浸食の現状を知事はどのように認識されておられるのか。そして、先ほど例を挙げたような地元への影響についていかなる御感想をお持ちなのか。まずは知事の率直な御見識をお伺いし、第1回の質問を終わります。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)山崎議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初に、7月の初旬に三朝町で開催されます森林交付税創設促進全国議員連盟定期総会の件でありますが、私、出席をすることにいたしておりますのは、お話にあったとおりであります。  私は、森林交付税の問題というのはかねてから議論になっているのでありますが、最近また別の観点から脚光を浴びることになると思います。それは、最近の小泉内閣の構造改革と関連するのでありますが、きょうにも発表される構造改革の中で、地方財政の問題というのが大きく取り上げられます。その中で、税源移譲でありますとか自主財源の強化でありますとかということがうたわれると思いますが、恐らくはこれから骨太と言われる構造改革を具体化していく過程で、国庫補助金のあり方、地方交付税のあり方、地方税のあり方、これらが議論をされることになると思います。  流れは、国が関与している国庫補助金などの量を縮減するか、ないしは関与を少なくするという方向、地方税を充実するという方向、あと地方交付税についてはいろんな議論がありますけれども、何らかの改革をするということ、こういうことがこれからの具体的な方策として出てくるのであろうと思いますが、そうなりますと、小規模市町村、特に山村、森林を抱えた小規模市町村の財政というのは、恐らくその構造改革の具体化の中で今よりも厳しい状況、厳しい局面に置かれるということが推測されるわけであります。そうなりますと、今のままですと、小規模の市町村は今まで以上に森林に目を向けて施策を講ずるということがなかなか難しくなるのではないだろうかという危惧もあります。そうであるならば、この際、1つは森林の多い、これは財政的には大体弱小な財政基盤の団体が多いのでありますが、そういうところに森林交付税のような形で緑を守るための財源を付与するということ、これは大いに意義があることだと思います。  また、この際、私は国庫補助金というものをかなり整理をして、そして県や市町村が自主的に使える一般財源にするという方向も正しいと思っておりますから、ぜひやってもらいたいと思うのであります。  現在、市町村に対して林野庁の関係のいろんな補助金があります。こういうものもこの際整理をして、そして森林交付税ということであろうと、準交付税でもいいですけれども、一般財源として市町村が森林その他に使える、ないしは完全な一般財源でなくても、ある程度の枠ははめてもいいですけれども、自主的に森林のために使える財源、そういうもので交付をすることがいいだろうと思います。市町村の自主性は増しますし、国や県で補助金の交付などというそういう余り生産的でない仕事に携わっている職員の行政改革もできます。そんないろんな意味も込めてこの趣旨には賛同するものですから、私は当日行って今のようなお話もしてみたいと思っております。  森林涵養税の問題は、先般もちょっと検討状況を申し上げましたが、成案を得ましたら、よく県民の皆さんの意見を聞いて、そしてその上で提案をするということになると思います。現時点での検討状況等につきましては、総務部長の方から御答弁申し上げます。  先ほどの森林交付税について要望するという気持ちがあるのかということでありますが、これはさっき言いましたように、小泉総理の構造改革の中で、交付税の問題、国庫補助金の問題、その他が地方財政の問題として議論されますので、その具体化の過程で必要な要請を国の方にしていきたいと思っております。  PCBの問題につきまして何点か御質問をいただきましたが、それぞれ所管部長の方から御答弁を申し上げます。  文化立県でありますが、先ほどの福間議員のときにも御質問にお答えを申し上げましたが、私は、文化というもの、これは歴史とか伝統とか行事とかいろんなものが含まれますけれども、その文化というものが観光振興にも大いに裨益すると思いますし、逆に言えば、これからの観光というのはそういう文化性がなければなかなか伸び得ないのではないかという認識を持っております。そのために、これからの観光振興に、鳥取県の持っております自然とか食事とか温泉とかそういうものに加えて文化面を発掘をして、そしてそれに磨きをかけて積極的にPRをしていきたい、こう思っております。  のみならず、私は文化というものに目を向けて、県民皆さんで認識をして、そしてこの文化を守り、育て、さらには楽しむということ、これは観光面だけではなくて、我々日常の生活にとっても大変重要なことではないかと思います。とかく今まで物をつくることには大変エネルギーと関心を強めてまいりましたが、文化面についてはまだまだやることが多いと思います。文化というものを楽しむことによって県民の生活にもゆとりが出てきたり、心の豊かさが生じる、さらには私は誇りにもつながるであろうと思います。そういう観点からも、ぜひ文化というものに光を当てていきたいと考えております。
     文化を観光に生かすために鳥取県文化観光立県推進協議会というようなものをつくったらどうかという御提案であり、一つの見識だと思いますが、私も長い間行政をずっと経験していまして、この種のことを進める場合に、県下一円網羅的に人を集めて何かやりましょうといったときに、大体うまくいきません。みんな集まるのですけれども、上滑りになって、余り当事者意識を持たない方々ばかりの集まりになるというのが通例であります。  そういう経験に基づいて今やっておりますのは、例えば大山地域ならば大山地域の振興を図りましょうということで、密接な関係を持っている者、関心を持っている方々が集まるということをやっております。既に大山の持っている歴史とか文化とかそういうものをみんなに知ってもらおうというような取り組みも今やっております。中部でも、梨の花温泉郷ということをテーマにして今やっておりまして、その一環として先般の投入堂への山登りとか、そういうことにもつながったわけであります。鳥取砂丘でもやっております。そういうような一つの目的といいますか、明確な意思を持った集まり、これは私は大いにやるべきだと思って今も実践をしております。  民間の方でもいろんな取り組みがありまして、例えば砂丘で言いますと、鳥取砂丘を考える百人会の取り組みなども大変積極的に行われております。また、先般、尾崎翠という本県が生んだ女流作家をテーマにしたフォーラムが開催されましたが、全国から多くの研究者とか関心のある人を集めた大変すばらしい会でありました。こんな民間の団体による文化発掘、PRというようなものも出てきておりまして、そういうものとも連携をとりながらやることの方が今の時点ではいいのではないかと思っております。  観光面でホスピタリティーの向上が重要ではないか。そのとおりであります。私も同感であります。やはり物があって、おいしい食べ物があって、さあ見なさい、さあ食べなさいというだけでは観光客に感動を与えないと思います。やはりホスピタリティー、説明といいますか語り部といいますか、いわれや魅力などをちゃんと的確に、しかもおもしろく語ってくれる、こういう仕掛けが必要であろうと思います。  今いろんなことをやっておりまして、ホスピタリティーの向上という面では、もてなし講座ということで、旅館のおかみさんでありますかと従業員の皆さん、交通関係者の皆さんに鳥取県の観光の資源をPR、知っていただくとともに、もてなしについても配慮していただきたいということをやっておりますし、もてなし御意見番と称しておりますが、要するに苦情申告書を旅館とかホテルとかに置いておきまして、気のついたことを書いていただいて投函していただくというこういうこともことしからやっておりまして、それなりにいい意見、耳の痛い意見も随分出ております。そういうことでホスピタリティーの向上につなげていきたいと思っておりますし、今年度から観光ボランティアということで、観光語り部の養成にも着手をしているところであります。  本県の海岸浸食の現状をどう認識しているかということでありますが、県内ずっと海岸線を走っておりまして、本当に海岸がやせ細っているところが多いことを憂慮しております。調査によりますと、県内で10の海岸が浸食傾向にあるということであります。これを何とか浸食をとめなければいけない。今いろんな手当ても県でやっておりますけれども、私は、今公共事業の問題がいろいろ取りざたされておりますけれども、この海岸浸食の問題などは国策としてもう少し重視してもいいのではないかという気がしております。我が国は、37万平方キロのそんなに広くない国土の上で1億2,000万人の者が生活しておりますし、その海岸の状況によって我が国が排他的に使用できる海の広がりも異なってまいります。そんなことを考えますと、もう少し海岸の浸食に、これは膨大なお金がかかるものですから、政府の方も積極的に取り上げていただきたい、こう願い、かつ認識をしているところであります。 ◯議長(村田実君)平井総務部長 ◯総務部長(平井伸治君)まず、森林涵養に係ります税の検討状況について御報告申し上げます。  今、森林の涵養のためにどのような税の負担のあり方があるかということを、県庁の各部局で協議いたしまして検討しております。  税の目的ですとか、あるいはその使い道が重要でありますが、それが森林、あるいは森林に基づく環境というものをどういうふうに保全していくための経費とするかとか、そういったあたりを中心に今議論をしております。  また、税を御負担いただく際には、広く薄く御負担いただいて、上流下流一体となって森林を支えるという姿がよろしかろうと思っておりますが、そのためにどういうような税率でありますとか課税の仕方をするかということを検討いたしております。  例えば水の利用に対して税負担を求めるというようなことが考えられるのではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、県民広く議論していただいた上で、成案を得て、それを上程するという形にしたいと考えておりますので、まずたたき台となる検討案を作成いたしまして、その上で県議会、県民の皆様の御議論にまず供し、それで成案を得たら上程するという手続を踏んでいきたいというふうに考えております。  PCBの関係で、県庁の知事部局の関係の部分について御説明申し上げたいと思います。  現在のPCBを含んだ廃棄物の保管状況でございますけれども、具体的には、県庁の第2庁舎の地下に感圧紙を4,900キログラムぐらい保管しております。また、第2庁舎の地下に安定器を628個持っております。西部の総合事務所にも感圧紙1,654キロ、照明器具の安定器5個、高圧コンデンサー2個、日野総合事務所にも機械室に高圧コンデンサー1個を保管をしております。  これら現在の県庁における保管といたしましては、特別管理産業廃棄物管理責任者をきちんと設けまして、それで講習を受けて責任者を設置しております。  また、保管に当たりまして、例えば安定器でございましたらスチール製のこん包材をきちんとつくりまして、その中に保管をし漏えいしないように努めたり、あるいは万が一の場合に備えたさまざまな工夫もさせていただいております。いずれも厳重にかぎをかけて保管しておりますので、適正に管理されているというふうに考えております。  また、御指摘いただきましたPCB含有照明器具を、ことし思い切って1,105個撤去をするというような回収事業を今やろうとしております。県庁舎あるいは西部の総合事務所、産業技術センター、職員会館、衛生研究所など、さまざまなところで今使用中のものを撤去しようというものでありますが、いずれも県庁の第2庁舎でありますとか西部総合事務所の倉庫で現在保管しているものに加えて、一括して集中管理するのが適当であるかなというふうに考えております。  特に心配があるという御指摘もありますが、福祉施設におけるものにつきましても、これは福祉部局ときちんと相談したいと思いますが、そうした一括管理の中に入れるのが管理面では一番安全かなというふうに考えておりまして、その方向で検討させていただきたいと思っております。 ◯議長(村田実君)谷口生活環境部長 ◯生活環境部長(谷口勝彦君)PCBに関連いたしまして2点御質問がございました。  まず1点は、県内の事業所における廃PCBの保管の状況についてでございます。  県内の事業所に今現在保管しております廃PCBは、高圧トランスコンデンサーが363台。感圧複写紙、いわゆる旧ノーカーボン紙でございます。これが約7トン。蛍光灯の安定器5,481台等々でございます。現在使用中のものでございますが、高圧トランスコンデンサーが487台、これはいずれ廃棄物の方に入ってくると思います。使用中のもので今言ったもの以外については、県内の実態は把握はしておりません。ただ、安定器を除いてもう使用されていないというふうに思っております。  いつまでも保管を続けるわけにはいきません。今後の方針はということでございます。  PCB、いわゆるポリ塩化ビフェニールは非常に水に溶けにくい、化学的に安定、絶縁性がすぐれている、沸点が高い、こういういろんな性質を持っておりまして、例えばトランスのコンデンサーの潤滑油、あるいはカーボン紙、いろんなところに幅広く利用されております。1968年、昭和43年でございますが、カネミ油症事件というのが発生をいたしまして、そのときからPCBの毒性というものが大きな社会問題となってきたわけでございます。1971年、昭和51年でございますが、PCBを含む廃棄物の処理対策というものができまして、早急に処理すべきであるが、現在処理方法が確立されていないということで、処理体制が整備されるまでは適正に保管をするようにということで現在に至っているわけでございます。  言われますように、ただこのままいつまでも保管をしておくというわけにもいきません。そういうこともありまして、現在国の方で広域処理の方針というものを策定中でございます。具体的には、今後5年以内に全国5~6カ所に広域処理施設を建設をするということで、その後10年をかけて国内のすべてのPCBを無害化するという方針でございます。これに伴いまして、今後適正処理するための施設建設でありますとか、あるいはその後の運営を進めるために、県にも必要な役割分担が出てくるというふうに思っております。 ◯議長(村田実君)有田教育長 ◯教育長(有田博充君)お答えします。  交換が終了しましたPCB使用機器の扱いであります。  県立学校等におきましては、大部分は容器に入れて倉庫などに施錠して保管をしておりますが、一部の県立学校では、容器に入れないで倉庫等に保管をしているという例もございます。  一方、小中学校でありますが、現時点では学校または市町村役場で保管をされているようであります。その大部分は容器に入れたり、機械室などで施錠して保管しているようですけれども、小中学校にありましては、すべての市町村の中で義務づけられております管理の資格を有する責任者、いわゆる特別管理産業廃棄物管理責任者の表示がしていないということのようであります。 ◯議長(村田実君)大和田警察本部長 ◯警察本部長(大和田優君)お答えいたします。  現在、県警察におきましては、PCB使用の蛍光灯安定器49台を警察学校の倉庫において、金属の容器に密閉し、厳重に保管・管理をしております。  また、現在使用中のPCB使用機器につきましては、警察学校、鳥取・八橋・米子署の4施設に合わせて142台の蛍光灯安定器、運転免許試験場に1台の低圧ナトリウム灯器具がございますが、これらはいずれも今年度中に交換の予定であり、取り外し後は、それぞれの施設におきまして所定の方法により厳重に保管・管理をすることとしております。 ◯議長(村田実君)6番山崎建治君 ◯6番(山崎建治君)森林保有税の件につきまして、きのうちょっと智頭町の森林関係の方と懇談したのですが、今の森林を支えていくことができない実態で、何百ヘクタールか、かなりの広さで岡山県、兵庫県等が、何が目的かわかりませんが、産廃ではないかと思われるそういう大量の山を買い占められる。日南町にはまだ行って事情を聞いておりませんが、先日、新聞の報道では、1億か何ぼかで町の財政で買い占めると。さっき広く浅くではないとおっしゃいましたけれども、76%ですか山林保有の鳥取県ですから、今後こういうことも見据えて町村の財政を支え、いろんな他県からの購入をねらいとしてきた場合は歯どめをかけるとか、町でいろんな新しい計画をする、こういうものは県はもちろん国で、さっき知事がおっしゃったようなことでぜひ取り組んでいかなければいけないと感じておる次第であります。  次に、PCBの廃棄物で何点か質問をしたいと思いますが、今総務部長、各関係の皆さんから答弁いただきました。中でもPCBの廃感圧複写紙の処理、PCB入りの旧ノーカーボン紙処理、この間、県庁の第2庁舎の現場を見てきましたけれども、300箱の段ボールに入って、果たしてああいう管理、保管状態でいいかとちょっと疑問にも思っておりますが、こういうものはノーカーボン紙処理協会が主体となって、今おっしゃったように最終的には回収し、処分をするということでありますが、せめて廃感圧複写紙ぐらいは、さしずめ何らか先に切り離して早急に処理、処分することはできないか。そういう見通しはどうなのか。これが第1点。  第2に、保管場所について県が調査した160事業所に対して、PCB使用の事業所の約半分が県が調査を依頼しても無回答である。その後ある程度フォローされておると思いますが、そういう全く反応しない事業者に対して、今後どのように指導徹底をされ、管理・保管をさせていくのか。私も仄聞するところ、ある事業所なんかひどい。大量のPCBの廃棄物を紛失不明にしておる。そういうこともあります。露出等の危険もあり、人的・資金的なコストなど現実に問題がありますが、公平に実施すべきと思いますが、その辺の御所見を伺っておきたい。  また、今の保健所の体制、正確な実態を掌握をする、そういう解決がされるのか、私はちょっと疑問に思っております。陣容といい、いろんなその辺のことを伺っておきたい。  第3に、県下の学校で交換された保管状況について。  私は先日、2~3の場所を除いて、県下の保管実態を全部確認をしてまいりました。学校施設はPCB廃棄物の保管場所として適当でないと、私は強く申し上げておきたいと思うのです。  現在、教育委員会が管理・掌握をされている実態と私が確認した現状は何点かかなり食い違っておりますが、使用済みのPCB使用電気機器、PCBの汚染物の保管については、保管場所、表示等が規定されております。まずその管理の不徹底、現物不明、保管場所の問題、腐食防止のために必要な処置、ケースにラベルの表示の不徹底等々、具体的に一例を挙げました。  公立小中学校のPCBの使用、照明器具の交換は昨年の12月から本年の3月まで交換完了して、県下小学校12校199台、中学校4校183台。県下の13町村のうち学校保管は郡家、若桜、智頭、羽合、溝口の5町であります。その中で2校、小学校で保管をされているはずの、教育委員会では管理しているように掌握されておりますが、行ってみると現物がありませんと、こんなことでありました。  残る8町村、役場に保管となっておりますが、ある町では、現物の確認を求めたところ、交換以来、教育委員会の職員の乗用車のトランクの中に入れて毎日走り回っておられる。(笑声)現物をおろさせて数を数えさせましたけれども。ある町では、町と教育委員会が危険物の置き場の件で話がつかず、電気屋の倉庫に預けておる。現場を見てきました。行くということで、今書きたてのような表示も張ってありました。(笑声)あるところでは、ナシを入れるコンテナに入れて役場の倉庫に置いてある。また、児童が出入りする運動器具を入れるかぎのない倉庫。日南町では、旧役場が地震で被害を受けて町の庁舎が移転をするために跡形がありませんが、1つだけ倉庫があります。教育委員会の説明では、あの残っておる役場の跡地の倉庫の中にPCB危険物が取り残されて保管をしてありますと。現場に行ってみると表示も何もない。ここに危険物管理場所の表示板をすることになっている、これは生活環境部長にも確認をしております。  教育長、これらの現状についての御所見を伺っておきたい。  第4に、教育長に伺いますが、私が県下調査した後、県の教育委員会よりPCB使用照明器具の交換後の保管状況についての照会があり、6月8日までにそれを提出をするようにという文書が来ております。ここに調査事項がありますが、その結果も見させてもらいました。  そこで、保管状況の記載例として、保管方法で、保管倉庫にPCB廃棄物の保管場所であること、管理責任者の氏名と連絡先を表示と、記載例に丁寧に書いてある。僕が現実に行ったらそういうのがないわけです。そういう記載例にもかかわらず、実際に倉庫の表示はあるのはほんの一部でした。若桜や三朝、日吉津とか。智頭なんか最近業者が持ってきて表示をしたと。この4カ所でありました。管理責任者有無の記載例には全部「有」と書いてありますけれども、実際の回答は、1カ所も管理責任者が置いてない。全部「無」の回答であります。  このように、県の教育長として、昨年の12月から交換完了して約半年、一番短いのは3カ月でありますが、なぜ現場の確認がされていなかったのか。今後どう対処されるのか。  県立学校、県下14の高等学校で保管状況を見ても、保管倉庫の表示のないもの、管理者のないところ、施錠のないところ、こういう実態であります。  ちなみに私は取り寄せました。これをどこも表示しなければいけないのです。これがないのです。管理責任者。連絡場所。私はこれを調べてみました。そうすると、特別管理産業廃棄物管理責任者、これはきょう広島でやっております、本日。今度7月26日に島根県で、5時間講習を受ければこの資格が取れる。鳥取県では倉吉に産業廃棄物協会ですか、そこに申し込んでやる。鳥取県は平成11年に130人受けた。これは全国でバランスをとりながら、岡山、広島、山口、山陰では後退。ぜひ平成14年ぐらいにはやりたいと思いますということで、平成11年に130人受けてからやっていないのですが、この管理者はだれか。学校で保管しておれば校長か教頭か事務長か、役場では町長か助役か。建物を管理すると、倉庫であれば総務課長か、係長か、その辺のことが全くあいまい。  そういうことで、私は、最後に5番目に、これから県有施設PCB含有照明器具施設回収事業、先ほど言いましたが1億8,000万円の県民の税金を使用してこれから工事が始まりますので、再び不徹底のないようにとの思いを込めて、知事、教育長、警察本部長の決意を再度伺っておきたい。  最後に知事に、現在の最新技術を用いて速やかに処理を行い、負の遺産を後世に残さず、責任を持って無害化するように国にも強く要望していただきたいと思いますが、御所見を伺っておきたいと思います。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)県庁舎、第2庁舎の地下倉庫に保管されておりますPCB入りの廃感圧複写紙の処理の問題につきましては、これは生活環境部長の方から御答弁を申し上げます。  これまでのPCBの保管事業所に対する指導が徹底していなかったのではないかというのは、そういう面があると私も認識しております。これからぜひ適切な保管指導について必要な施策を講じてまいりたいと思います。これまでの保管指導のあり方について点検もしてみたいと思います。その上で、先ほど保健所の体制のあり方にも御指摘がありましたが、保健所の体制のあり方も考えていきたいと思いますし、制度上の不備があるとすれば、これを手直ししなければいけないという気もいたします。これも現行の制度面で実効性が保てるのかどうか、点検をしてみたいと思います。  これまでずっと本当に持っておくだけという何とも頼りない政策だったわけでありますが、最近、やはり新しい技術でPCBの処理施設を整備していくという方向も出されております。ぜひこの動きが着実に進むように、早期に進むように国に働きかけていきたいと思います。 ◯議長(村田実君)谷口生活環境部長 ◯生活環境部長(谷口勝彦君)感圧複写紙、いわゆる旧ノーカーボン紙の選別保管、早期処理についてでございます。  PCB入りのノーカーボン紙は、伝票や帳票類として過去本当に大量に使用されてきております。昭和46年からその生産、使用というのが禁止されておりますが、保存書類としてかなりの量が存在をしております。保存期間の過ぎたものが一般の古紙とまざり合って、ちり紙等の原料として再使用されるという事例がたびたび発生をいたしまして、そういうこともありまして、排出事業者の段階で分別をして、古紙に混入して排出されることのないよう選別保管をするという形になっております。  また、このノーカーボン紙は、当初、議員が言われましたようにノーカーボン紙の処理協会というのがありまして、ここが主体となって保管も処分もするという方針でございました。ただ、いまだ無害化の処理体制が整備されていないという状況でございまして、処分をするのではなく、それぞれの事業所において選別保管をするという形で現在に至っております。これだけ切り離して早期に処分というのはなかなか困難であろうというふうに思っております。  今回、先ほど言いました政府の方で広域処理の方針のもとに、今後このノーカーボン紙の取り扱いというものの処理方針を示される予定となっております。現時点では厳正な保管というものを徹底をいたしまして、この方針が示された段階で適正な処理を進めていきたいというふうに考えております。 ◯議長(村田実君)有田教育長 ◯教育長(有田博充君)現在の廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりますと、ただいま生活環境部長の御答弁にありましたように、排出した事業者が処分・保管等の責任を負うとなっております。学校でいいますと学校の管理責任者、校長であります。職員が非常に少数の小学校などにあっては、異動も伴いまして、そういったことをすべて学校が行うということがよいのかどうか、私は疑問に感じております。特に危険であるということであれば、児童生徒のいない学校以外に保管をすべきであろうと思います。  さらに、もう1つ、小中学校の例を幾つか例示されましたけれども、これは基本的にはまさに設置者の管理責任であって、最終的にはすべてお話のあった県の教育長はということがありましたけれども、しかし、第一義的にはやはり設置者管理主義の原則を貫くべきであろうと思います。ただ、この件に関しましては、立入検査権限を持つ県、すなわち生活環境部等と十分連携をとりながら、より望ましいあり方を検討したいと思います。 ◯議長(村田実君)大和田警察本部長 ◯警察本部長(大和田優君)お答えをいたします。  警察施設におきまして不測の事態を発生させることのないよう、関係所属に対する指導を徹底し、厳重な保管・管理にこれからも努めてまいりたいと考えております。 ◯議長(村田実君)6番山崎建治君 ◯6番(山崎建治君)次に、文化立県と観光振興に関して、コンベンションについて伺っておきたいと思います。  コンベンションの開催は、県外の多くの人に我が県のすぐれた自然、歴史、文化資源などを知ってもらい、PRする絶好の機会であると思います。また、県内産業や地域経済の活性化にも大きく寄与するものであり、国際化や地方分権の流れの中で、交流を通じて人づくり、地域づくりに貢献できると思います。  昨年3月、青森県議会において、コンベンションビューローの設立に関して木村知事は鳥取県を例に出しながら、その経済波及効果、地域活性化への貢献などコンベンションの開催が大事だということで、私も議事録を取り寄せてみましたけれども、非常に力を入れておっしゃっております。これは、本県のコンベンション誘致が他県で評価されたものと理解をしております。  そこで、我が県のコンベンションの状況について伺っておきたい。  まず、平成12年度の開催件数、参加人員、経済効果の総額はどの程度の試算になっておるか、伺っておきたい。  また、本年はコンベンション誘致にどう取り組もうと考えておるか、お伺いいたします。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)先ほど青森県知事の発言を御紹介いただいて、本県のコンベンションについてお触れになられましたけれども、コンベンションというのは鳥取県のこれからの観光面、産業振興の面で大変重要だと思って、従来から積極的に取り組んでおります。いろんな局面で本県の魅力を紹介をして、本県での開催を呼びかけるということをみんなでやっております。私自身も、機会をとらえて直接誘致活動もしているところであります。おかげさまで、徐々に成果が上がってきております。  今御指摘になりました開催件数とか参加人員とか経済効果等の詳細につきましては、文化観光局長の方から御答弁申し上げますが、これからも積極的に取り組んでいきたいと思います。 ◯議長(村田実君)山本文化観光局長 ◯文化観光局長(山本光範君)コンベンション誘致につきまして何点か御質問がございました。  まず、平成12年度の開催件数でございますけれども、115件ということで、前年に比べまして10件増加しております。  また、12年度の参加人員でございますけれども、約5万4,000人ということで、前年より6,500人ふえております。主なものを申し上げますと、建築士会の全国大会、鳥取大会でございますけれども約4,200人、全国知的障害関係施設職員研究大会約3,000人、全国飲食業環境衛生同業組合連合会の全国大会約2,000人というものが主なものでございます。  また、12年度の経済波及効果でございますけれども、115件の中で、特に抽出いたしまして参加者のアンケート、あるいは主催者のいろんな経費というものをとりまして、その経費の中で、まず主催者の準備あるいは運営に要する経費と、参加者が宿泊あるいは買い物、そういうものに投資しました経費、こういうものを直接経費と呼んでおりますけれども、これが38億9,000万円。また、その直接効果からそれぞれ波及していきます第1次あるいは第2次、そういう波及効果、これを間接的な経済効果と呼んでおりますけれども、これが29億4,000万。合わせて68億3,000万、これが平成12年度の実績に伴う経済波及効果でございます。これもあくまで抽出したものにより推計したものでございますので、一つの目安であろうかと思います。これにつきましても、前年に比べまして増加をいたしております。  また、コンベンションビューローの本年度の取り組みでございますけれども、地道な誘致活動でございますので、特に大きな変動はございませんけれども、誘致活動といたしましては、特に学会、大会、こういうことが非常に大きなものになっております。そういう関係で、鳥取大学あるいは県内の各種団体、特にことしからは鳥取環境大学、こういうもののコンベンションの誘致に取り組んでまいりたいと思います。  また、コンベンションの大きな主催者がほとんど首都圏に集まっております。その首都圏の特にキーパーソンになる方を鳥取県に招致していただきまして、その中で県内の会議施設、あるいはアフターコンベンションとなります観光施設、こういうものを見ていただいて、鳥取県の誘致を図ることにしております。  また、開催の支援といたしまして、宿泊者の状況に応じまして開催の助成金も交付いたしておりますし、特にアフターコンベンションで文化・観光施設、そういうものと連携を図りながら、優待割引券、こういうものも提供いたしております。さらに、余り御存じないかもしれませんけれども、コンベンションボランティアということで現在約100名登録がございます。主催者の方の希望によりまして、会議の応援とかあるいは受付、こういうこともボランティアを派遣することにいたしております。  今後とも、積極的に誘致活動に取り組んでまいりたいと思います。 ◯議長(村田実君)6番山崎建治君 ◯6番(山崎建治君)次に、海岸浸食に対する防止策であります。  これについては、県が北条海岸で行ってきた浸食防止事業が大きな成果を上げたと、このように先日報道されておりました。北条海岸は、1990年ごろから砂浜の急激な浸食が起こり、一時は砂浜が幅5メートルぐらいまでやせ細ってきました。平成5年から県が進めてきた人工リーフによる海岸環境整備事業によって、現在では幅50メートル、10倍に回復、白砂青松の景観がよみがえったということであります。  この北条町では、海岸の周辺にカキ、アワビ、ヒラメ、また海水浴、魚釣り、ビーチバレー等々、海洋レジャーゾーンとして整備をしていく予定であると、このように聞いております。地元の活性化に大変大きな効果を上げるものと期待をしております。  さて、人工リーフ工法というのは、海岸の沖合に長さ200メートルから300メートルの長さで自然石を積み上げ、人工的なリーフ、つまり岩礁を設置する。その波で砂が流れるのを防いだり、そのリーフの合間から砂が流れ込んだり、こういう非常に優秀な設計であります。現在、この人工リーフによる浸食防止事業は、北条海岸のほかに大栄海岸や鳥取砂丘の福部地区、湯山地区で実施をされております。先ほど述べた浜村海岸を初めとする浸食の激しい鳥取県の10カ所のそういう海岸にもぜひ導入をしていただきたい、このように思いますが、知事の御所見を伺います。  なお、鳥取砂丘の湯山地区における浸食防止事業というのは、平成12年2月、激しい冬の風、波にさらされて高波に保安林が浸食をされる。その復旧工事に2つの点で注目をしております。  1つは、復旧の工法として土木部が沖合に人工リーフ、海岸では農林水産部が護岸工事を行う。国の縦割り行政の弊害、これを県庁各部では連携を非常に密にやっておる。今後こういう総合的な視野の事業を進めていただきたい。  もう1点、護岸工事に当たって、従来の直立防波堤、僕も砂丘に何回も行きましたが、波にさらされたら壁ごとに洗われる。今は緩やかな傾斜の護岸工事、こういう護岸の造成、そういう景観上いろんな観点から高い工法で行っておると思います。私は、今後とも海岸の復旧工事に当たって、こういう工法を積極的に取り入れるべきと思いますが、知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)海岸の保全でありますが、幾つかの海岸を御指摘になられましたが、これからも必要な箇所は順次やっていきたいと思います。  ただ、先ほど申し上げましたように、1カ所に相当莫大な金額がかかりまして、とても県単独ではできかねるものであります。したがって、国庫補助事業を取り入れながらやることになりますけれども、この種の事業に対して政府の方は必ずしも潤沢に補助金を用意しないという面があります。国土保全に必要な事業費はぜひ政府において工面をするようにしていただきたい、このこともあわせて要望したいと思います。  工法として、人工リーフと緩傾斜の堤防ということ、新しい工法をということでありますが、御提言もいただきながら、効率的な整備を進めていきたいと思います。  また、決して縦割りにならないように、よく連携をとりながら工事を進めていきたい、このこともよく頭に入れておきたいと思います。 ◯議長(村田実君)6番山崎建治君
    ◯6番(山崎建治君)海岸の浸食防止について、県庁内の連絡・協力体制、こういうことについて再度お尋ねをします。  一口に言って、そこは砂浜だけでなく河川、港湾、漁港、農地、さまざまな形態があって、海岸の管理は国土交通省、農林水産省、水産庁、そういう区域の指定があるわけでありますが、これを知事が受託管理をしておられるのでありますが、先ほど申し上げました国の縦割り行政の影響を受けて、県の担当課の間の連絡・協力体制が決して十分とは言えない、これを特に指摘をしておきたい。  例えば河川の河口整備、港湾の防波堤設置が原因で近隣の砂浜の浸食が進んでしまうという話を耳にするわけであります。また、大切な砂浜の浸食が急速に進んでいると裏腹に、河川の河口部の港に砂が堆積をしてしゅんせつをしなければいけない。そのため、一つ一つの事業を効率的連携のもとで進めることはもちろん、海岸保全についての総合的整備計画を策定してやってもらいたいと強く思うわけであります。  現在、平成11年の海岸法の改正を受け、河川砂防課、航空港湾課、漁港課、森林保全課、耕地課で構成される鳥取県の海岸管理者連絡会において、県としての海岸保全基本計画の策定を検討しているところであると聞いております。その基本計画の内容はどのようなものになっておるのか、本県の実情に合った浸食防止対策のあり方を十分研究し、しかも間違っても縦割り行政に陥ることのないよう、緊密な連絡調整を図る仕組みを盛り込むべきと思います。計画策定に当たっての知事の方針を伺っておきたい。  基本計画はいつできるのでしょうか。聞くところによると、連絡会ができて既に1年半経過しておりますが、いまだに担当係長レベルでその計画作成のスケジュールを検討しておる。私は、海岸保全の重要性を考えれば、知事がリーダーシップのもとに、土木部長、農林水産部長、そして課長がじきじき直接話し合って、早急にこういう計画はまとめる姿勢があってしかるべきと思いますが、知事の御所見を伺いたい。  さらに、もう1つお尋ねしたいことは、このような海岸保全の基本計画を策定するに当たって最も基本となるのは、現在の海岸線の浸食あるいは堆積状況を正確に知ることであります。しかしながら、担当課の現在の状況を聞いてみると、一番新しい調査の実態は平成5年に行ったものであります。つまり、過去8年間、我が県の海岸線の状況を正確につかめていないということであります。これでは充実した基本計画を策定することなど到底無理だと言わざるを得ません。ましてや係長ぐらいなところでやると、とんでもないことだと私は思うのであります。  何はさておいても、現在の海岸線の状況をつかむべきであると考えますが、知事の明確な答弁を伺って質問を終わりたいと思います。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)法律が変わりまして、県で一括をして縦割りにならないように海岸保全基本計画をつくるということになったのは、私は大きな前進であろうと思います。確かにおっしゃるとおり、今までは県も縦割りでありましたが、その県の縦割りの原因は、海岸の管理形態がそれぞれ中央官庁の各省で区分されて、それぞれが縦割り的におりてきていたということ、これが一番の弊害であります。これがこのたびの法律の改正によりまして、県で一元化して海岸保全基本計画をつくるということになって、今その作業を進めているところであります。  係長クラスがということを強調されましたが、幹部も含めて今やっておりますので、県庁内でよく連携をとりながら、また外部の皆さん等の意見もよく聞きながら作業を進めていっているところであります。  詳細につきまして、その内容でありますとか、今後の決まっておりますスケジュール等につきましては土木部長の方から御答弁を申し上げます。  海岸の現状把握につきましても、必ずしも平成5年までの状況だけが把握できているわけではなくて、平成10年の航空写真等もありまして、その測量結果を分析したりしているところであります。これにつきましても土木部長の方から御答弁申し上げます。 ◯議長(村田実君)前田土木部長 ◯土木部長(前田八壽彦君)まず、海岸保全計画の内容でございますけれども、その内容といたしましては、1つとしましては自然環境、海浜利用等の明確化をしたいというふうに考えております。次に、各海岸のあるべき姿の明示をしていきたい、そのことも考えております。さらに、海岸保全区域の整備区域、あるいはその整備方法、施設配置の明確化をしていきたいというふうに考えております。また、海岸におきます公衆の適正な利用促進というふうなもの、以上4点を考えて策定をしていきたいというふうに考えております。  現在、ワーキング用の検討をいたしておりまして、11月の上旬には、知事からの意向もありまして、学識経験者の助言、あるいは関係市町村及び住民の意見を反映したものにしようというふうに考えておるところでございます。  次に、海岸の現状把握についてでございますけれども、昭和44年から平成5年までにつきましては、不定期ではありますけれども、状況は正確に把握しているところでございます。平成10年に航空写真を撮っておりますので、この分析をいたしまして、平成5年までの対比をして、今後の施策に反映したいというふうに考えております。  なお、浸食の著しい海岸につきましては、適宜調査をしていきたいというふうに考えております。 ◯議長(村田実君)暫時休憩いたします。        午後0時50分休憩    ────────────────        午後2時06分再開 ◯議長(村田実君)再開いたします。  引き続き、一般質問を行っていただきます。  9番大谷輝子君 ◯9番(大谷輝子君)(登壇、拍手)6月定例議会に当たりまして、まず大橋川改修事業について質問いたします。  6月12日、鳥取県と島根県は、大橋川の拡幅のための測量・調査・設計の実施についての確認書を交わし、同意いたしました。知事は、住民にも十分知らしめていると言われていますが、マスコミの報道のみで、弓浜の現地で聞くことや住民に説明したり答えたりされたことは聞いていません。むしろ、大橋川の拡幅問題が先行することで、中海の汚濁と弓浜地域の災害の危険、農作物の長年の被害解決のための住民の最大緊急の願い、堤防開削は3年以後に追いやられました。失望は大きいと思います。  今後、アセスメントが住民が信頼できる方法で行われるかどうかが問題であり、以下、具体的な問題について質問いたします。  第1は、環境アセスの方法を決めるに当たって、広く住民の意見を聞く手続がとられるべきであり、それはどういう方法でされるかお伺いします。  第2は、その際、できる限り環境への影響を少なくしたかどうか、ベスト追求型が求められています。アセス法にのっとってやるならば、堤防開削で原状改善を行うことや、現在工事が進んでいる2つのダムの完成と神戸川の工事が進むことによってどうなるか。また、代替案の比較検討を含め予測と評価を行うことが法のもとの国土交通省の責任、義務であります。両県知事が求められるべきことではないでしょうか、お伺いします。  第3は、不確かな予測をだれが、どうチェックし、住民に情報を公開し、ただしていくのか、そのプロセスが明らかにされていません。住民に明らかにされる必要があります。  以上について、知事の答弁を求めます。  2つ目の問題は、消防防災体制の強化についてであります。全面的には時間の都合で聞くことはできません。  第1は、西部地震の際、常備消防が鳥取県全域から結集し、機能することができなかったとして、動かすことができるような県の消防にする必要があるという考えを知事が示されたことであります。機能できる体制をつくることは重要であります。しかし、初期消火、人命救助など初動が決め手であります。これを効果的に遂行するには、町や村の道路、施設、人々の暮らしが手のひらに乗っていることが重要であります。そのためには、各市町村消防署体制が一番いいと思います。しかし、人と設備、機材を国がちゃんと保障しない。ですから広域になったのではありませんか。西部地震の教訓を十分に全体に徹底し、地元に密着しながら蓄積した広域消防が自主的・自覚的に取り組みを強め、連携を強めることこそ大切ではありませんか。十分機能できなかった理由について、各広域消防の管理者、消防長及び市町村長からよく聞いて問題を整理されたかどうか、あわせてお尋ねいたします。  2つ目は、知事が講演されました4月30日、震災復興研究センターのシンポジウムで、梅雨が必ず来るように地震は起こるというお話がありました。県民の生命・財産を守るために大切なのは、消防体制の強化だと思います。少なくとも消防力の国基準を満たすことではありませんか。すべてについて基準を満たしていません。不足数と、今後これを満たすためにどう取り組みをされようとしているか、知事の答弁を求めます。  3つ目は、淀江産業技術高校廃校問題と今後の教育行政の進め方についてであります。  まず、養良農学校以来の130年の伝統、生徒・先生・地域の努力による成果、農業高校・農業教育の果たした役割は、聞けば聞くほど豊かで感動いたします。これを正しく全面的に評価し、鳥取県の教育に生かすことが重要と考えます。生徒、地域、自治体で評価が広がっていることについて、どう受けとめられているでしょうか。9月19日のこどもの人権広場主催の農業教育の大切さと淀産の廃校問題を考える会での皆さんの発言をどのように受けとめられたかを含め、伺いたいと思います。  2つ目は、廃校に反対されながら、住民は跡地を生かす道について論議され、提案もされています。廃校問題がまさかと思う間に強行された驚き、県の姿勢から、今度こそおくれてはいけないという気持ちのあらわれではないでしょうか。県は跡地の生かし方について、生徒、教師、住民、関係自治体、議会の意見も十分聞き、住民参加によって検討を進めるべきだと思います。知事、教育長の答弁を求めるものであります。  4つ目は、県立高等技術専門学校のあり方、充実についての質問であります。  第1は、まず位置づけと充実についてでありますが、今日の深刻な不況下で、県内の中小企業は、会社の生き残りと従業員の生活を守るために大変な努力をされています。こうした状況下でIT化が進み、技術を持った有能な働き手が求められています。専門校の充実は大切と思いますが、どのように位置づけられているか。また、改善・充実についてどのように考えられているか、お尋ねしたいと思います。  2は、施設・設備の現状と改善、定員増についてであります。  先日、米子校を見せていただきました。潮風が当たることもありますけれども、さびたり、大変老朽化していることや、教室の狭さ、作業所の狭さが大変気になりました。CADシステム科とデザイン科のパソコンは、生徒がそれぞれ20名であります。それなのに11台、10台という状況であります。議員や教師より先に、少なくとも生徒数は整備すべきではないかというふうに思います。  総合建築科ののこくず集じん機も小さなものです。しかも、生徒がそれをごみ袋に移しかえて出している状況であります。改善が必要ではありませんか。  定員の問題でありますが、OA科は20名に対して43名の応募者があり、自動車整備科は20名に対して54名の応募者でありました。学校では自動車科は2年で2級整備の資格が取れますが、自動車整備工場では4年かかると聞いていまして、先生に確認いたしました。少なくとも6年はかかる、これが普通だということでした。現在、県内には497の整備工場、これは整備振興会に入っている会社だけであります。しかし、自動車整備科は米子だけです。応募者と需要の多い科の定員をふやし、中小企業の人材を確保することが急がれると思います。知事の答弁を求めます。  5番目は、就学前までの乳幼児医療費助成拡大をすることについてであります。  子供の病気は本当に待ったなしです。お金の心配をしないで医者に十分かかれたらというのは、若い父母の本当に切実な願いです。2000年度、2001年度にかけまして、入院のみに限りますと、就学前もしくは6歳未満まで助成する県が22県になると聞いています。報道されています。県の助成は市町村の実施を促しています。東京都が10月から就学前まで拡大、所得制限を大幅に緩和いたしましたことによって、多摩地区で見ますと、26市中、就学前まで助成していたのは狛江市のみでありましたが、全市に広がりました。狛江市長は、都の助成によって浮いた財源でさらに引き上げたいと言っておられます。就学前まで助成しても、医療費は全国で2,500億円で、仮に国が2分の1を持ったとしても1,250億円です。全国の県で頑張って国を追い込み、子育て支援を実効あるものにすることが大切と思います。  また、乳幼児期の病気や発達のおくれの早期発見・徹底治療は、医療費の削減になることは実証済みです。知事の答弁を求めます。  最後は、小泉内閣の社会保障制度の改革、中でも医療改革、つまり改悪について質問いたします。  まず第1は、小泉内閣の構造改革、医療構造の改革等は、実は不良債権の処理で倒産や失業をふやし、社会保障の構造改革で福祉の切り捨て、つまり国民弱者切り捨てであることが、日を追って国会の追及で明らかになっています。  5月30日、予算委員会で、日本共産党・小池参議員の、首相の言う社会保障構造改革の中身は、首相が厚生大臣時代にまとめた21世紀の医療保障制度に示された内容かという質問に、首相は、基本的にそういう方針に沿って改革しなければならないと答弁いたしました。その内容とは、健康保険本人の3割負担、しかも大病院は5割負担とし、現在、年収180万円以下で扶養家族となっている高齢者で保険料を支払っていない人も含め、すべての人から保険料を徴収する高齢者医療制度の創設、そのほかベッド数の削減など、医療機関にとっても重大な改悪をする内容であります。  小泉首相は、高齢者は20代、30代の収入にまさるとも劣らない、応分の負担をしてもいいと答弁していますが、実際200万円以下が4割、貯金も過半数は400万円以下であります。鳥取県も非課税の方が8割近くあると以前介護保険の質問で答弁していただきましたが、首相は余りにも高齢者の生活実態を知らない。全国保険医団体協議会の調査によりますと、21世紀の始まり、ことしの1月から老人医療1割負担になったことによって外来患者が減ったと回答された医科が6割、歯科が5割となっております。全日本民主的医療機関連合会の調査では、診療の日数は1割減、負担は平均1.7倍になっていると言われています。  さきの保団連の鮫島会長は、小泉首相の医療改革を許したら日本の開業医体制は重大な危機に直面する。患者、国民にとって百害あって一利なし、絶対に阻止しなくてはならないと言われております。6月13日、鳥取県保険医協会の代表と話し合いを行いましたが、同じ見解でありました。知事はどう受けとめられているか。患者負担増と受診抑制を強いられるだけの抜本改悪をやめ、国庫負担をふやすよう政府に求められる考えはないか、お尋ねいたします。  2つ目は、現在被扶養者で保険料を支払う必要のない方は全国では340万人と聞いています。鳥取県では何人になるか、どういう影響が出るか。以上、知事の答弁を求めます。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)大谷議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初に、大橋川の問題でありますが、ちゃんと知らせていないのではないかということをきょうもおっしゃいましたが、私は、この大橋川の拡幅に先立つ事前調査・設計について、どういう考えであるかということ、どういう条件が整えば着工の事前調査に同意をするかということについては、かなり前広に詳しく、いろんな局面でお話をしていたと思います。この議場でも何回も繰り返しましたし、定例会見でもそうでありますし、いろんな場面でお話をしました。そのことはマスコミを通じて広く知られたところでありますし、さらに米子、境港の両市の市長さんとも幾たびとなくお話をしましたし、また、両市の市議会の議長さん、境港については私も直接すべての議員の皆さんと意見交換もいたしたりしました。  従来のいろんなこの種のことに比べると、私は相当丁寧にやったと思っておるのですが、それでもまだ大谷議員からだめだと言われると、一体どこまでやればいいのかなというそういう疑問もわいてまいります。正直言いまして、そのような意見が出てくるのは大谷議員だけなのであります。(笑声)  その上で同意をいたしました。それについては、条件をつけていることも何回もお話を申し上げております。その条件がクリアされなければ、いよいよ着工という段階になったときには同意ができないということを申し上げているとおりであります。  アセスメントについても、内容、方法について両市の市民の皆さんの意見が十分反映されるものである必要がありますし、アセスメントの結果についてもちゃんと公表して、納得できるものでなければいけない、こういうことを申し上げているわけであります。  具体的にどういう方法かというようなことにつきましては、その都度、この議会にも御報告を申し上げたいと思いますし、両市にもそのことは申し上げたいと思います。そういう双方向の意見交換をしながら、これからアセスメントも進めていくことになると思います。  この事業について、いわゆる3点セットを最初からフィックスしないで、例えば大橋川をいじらないで神戸川の幅を広げるとか、そういう方法があるのではないかという御指摘でありますが、これは長い間の経緯で上流にダムをつくり、一方、日本海に直接抜ける神戸川の放水路をつくり、そして、宍道湖と中海を結ぶ大橋川を拡幅するという、そのいわゆる3点セットで来たわけでありますから、この基本フレームは尊重しなければいけないのだろうと思います。今になって大橋川だけなしよというそういうことにはならないのであろうと思います。  それもアセスメントをやってみて、例えば本庄工区を切ってみてもどんなにしてみても大橋川の拡幅というものが中海に致命的なダメージを与えるということが万人に明らかになれば、それはその段階でまた考え直すことは当然あるでありましょうけれども、そうでない以上は、私は基本フレームを維持しながら、その中で実害がないようにしなければいけない。不安がないようにしなければいけない。そのためのアセスメントをやるものだと思っております。  アセスメントの結果を明らかにするという点でありますが、これは十分明らかにします。公表するという点については、事業主体の国土交通省も全く異論がありません。ですから、必要に応じてアセスメントの結果、途中経過もあるかもしれませんけれども、公表して納得のいくものかどうかについての点検をする。我々もしますし、両市でもその点検を行っていただくということになるだろうと思います。  消防防災体制でありますが、昨年の地震の経験を踏まえて、消防の現在の体制、運営のあり方に、若干の反省点といいますか意見を私は持ちました。そのことがきっかけになりまして、県庁の中でこれからの我が県の消防のあり方について勉強してまいりました。その途中経過といいますか、その中途の段階で一部の新聞に出たりしました。  私は、今回の地震を経ての教訓というのは、大きく分けて2つありまして、1つは、今の広域消防体制というのが県下3つでありますけれども、いざというときの責任者、首長といいますか消防体制のトップと住民の皆さんとの間に政治的な責任関係というのが明確でないのではないかという問題意識を持ったわけであります。これは先般野田議員の代表質問にもお答えしましたけれども、米子の市長が日南町までカバーしているという、そのことが本当にいざというときにうまく機能するかどうかという点について若干の懸念を持っているということ。もう1つは、東・中・西と3つに分かれていて、今回西部が地震がありましたけれども、中部・東部との連携というのが必ずしもうまくいっていなかったのではないかという、こういう2つの問題意識を持って勉強を始めたわけであります。  大谷議員が言われるように、消防力が不足をしているからどうだという、決してそういうことを言っているわけではありません。もし消防力が不足しているということがあるのであれば、それは別途消防力を充実させるとか、その際に国の方で消防力の基準というのを決めておりますから、それを見直してもらわなければいけないということがあるのでありましたら、そういう要望をしたらいいと思いますけれども、今回の地震の際のきっかけというのはそういうものではなくて、別のところにあるということであります。  市町村の意見をよく聞いたのかということでありますが、これはつぶさに聞いたわけではありません。私どもの印象で勉強を始めたわけであります。自分なりの考え方も、折に触れて町村長さんとか市長さんなどに懸念を中心にして申し上げてきたところであります。これから研究をし終えて、県としての考え方をまとめましたら、また改めて市町村でもよく研究をしていただいて御意見を承りたい。決してこれは県が一方的に決めるものではありません。県は考え方は示しますけれども、あくまでも消防は市町村でありますから、市町村の皆さんが納得のできるものでなければいけないと思っております。  個々の市町村に戻して消防を運営したらどうだろうかというのは、これも1つの案であります。もともと消防は市町村消防でありますから、住民が選んだ市町村長さんが消防も掌握をするということが基本であります。それはそうでありますが、どうも建前と理念でやってきて、必ずしもうまくいかないということで、全国どこでも常備消防というのは広域化をしてきたわけであります。便宜上やってきたわけであります。  便宜上やってきたおかげで、非常に効率性の悪い面を除去するとか、財政面で合理化が図られるとか、そういう面は問題が解決したのでありますが、逆に今度は為政者の責任論という問題になったときにやや欠陥が出てきているという、そういう一長一短があるのであろうと思います。それをこれからどう解決するか。またもとに戻してしまうというのは、私は必ずしも現実的でないと思います。  ただ、今議論されております市町村の広域合併、市町村合併というものがどれほど進むかにもよりますけれども、相当市町村合併が進めば、分解をして戻すということも必ずしもないわけではないとは思いますけれども、いろんな見方、考え方がありますから、皆さんで一緒によく検討したいと思います。  高校再編に伴う学校の跡地の問題でありますが、これも再三、基本的な考え方はお話をしたことがあると思いますが、跡地になった段階では、その土地・建物をどうするのかというのは、これは一般論でありますが、基本的には、建物がある場合でありましたら何とか有効活用できないであろうかというのは、私はまず考えてみる必要があると思います。一たん壊してしまって、後でしまった、まだ使えるのにというのはもったいないわけでありますから、何とか使えるということであれば、有効活用するというのが一つだろうと思います。  そういう要請がない場合には、土地ということになるわけでありますが、これは、その土地をまず県の行政で使うことがあれば優先的に使うことになりますし、地元の市町村で使うということであれば、それはその次に優先度が高いと思います。さらには県、市町村以外の公益的な目的を持った組織・団体が使うということであれば、そちらがさらにその次の順位になろうかと思います。そういうものが一切ない場合には、一般の利用といいますか売り払いの対象になる、貸し付けの対象になるということだろうと思います。  県立高等技術専門校の件でありますが、これは、大谷議員が現地に行かれていろいろ視察をされて、当事者のお話を聞かれたわけであります。私どもといたしましても、ニーズといいますか需要があれば、それに応じて設備とか定数などの改善はしていきたいと思います。詳細は商工労働部長の方から御答弁を申し上げます。  その際、自動車整備科が人気が非常に高くて、定数が足らないのではないかということも現実にあるようであります。これも必要に応じて拡充すべく、検討してまいりたいと思います。  乳幼児の医療費の助成でありますが、これも私、就任しましてから対象年齢を引き上げたりいたしました。本県よりももっと対象年齢を引き上げているところもあります。これも事実であります。本県よりも対象年齢が低いところもあります。県の中でいろんな意見がありまして、さらに引き上げてもらいたいという要望が強いということも承知をしております。  一方、これは県だけの制度ではなくて市町村が中心になる制度でありますから、市町村がどう考えるかということも重要であります。一部の町村からは、もっと拡充をしてくれという意見があります。これも事実であります。一方では、前回引き上げた際に、ちょっとクレームを言われたところもあります。これは専ら財政上の面であります。この措置をすることによって、さらに拡充することによって、別途のペナルティーといいますか財政上の支障が市町村に生じますので、市町村が消極にならざるを得ない事情もやはり認識をしておかなければいけないと思います。いずれにしても、市町村の意見もよく聞きながら、これから検討してまいりたいと思います。  小泉内閣の医療制度改革でありますが、骨太と言われる構造改革がきょうにも出ようというわけでありますが、その中では、恐らく医療制度の改革というのは大きな一つの柱になるのだろうと思います。その骨子は、持続可能な制度に向けて改革をするということになると思います。私は、これは大切なことだと思います。破綻をしては何にもなりませんから、とにかく医療制度は持続可能な制度でなければいけない。ということは、現状のままでは医療費が非常に増大をして、結果的に必要で十分な医療サービスが提供できなくなってしまう懸念があるからであります。そういう意味では、制度疲労を生んでいるというそういう認識が示されるのだろうと思います。  そこで、医療サービスを効率化するプログラムというものを策定をしよう。それは、医療サービスの費用対効果を向上させようとか、医療を提供する側の規制緩和をしようとか、医療機関の経営の近代化・効率化を求めるとか、そういうことが構造改革の中で提案されるでありましょうし、さらに、大谷議員が最も心配されておられます患者負担の適正化ということもうたわれるでありましょう。こういうことによって、医療の質を落とさないでコストを下げる、そのことによって価値のある医療制度を実施して医療費総額の伸びを抑制する、これを実現させる、こういうトーンだろうと思います。  私は、問題意識とねらいは正しいと思います。大谷議員は絶対反対だと言われましたけれども、問題意識を持つこととねらいは正しいと思います。何よりもやはり持続可能なシステムをつくる必要があると思うからであります。  具体論になりますと、もちろんいろいろ問題が出てくると思います。規制緩和とか負担の適正化というのをどの程度求めるのか。規制緩和をどの程度認めて、負担の適正化をどの程度求めるのかということは、具体的な施策に移すときには大きな議論になるだろうと思います。今後の具体化の過程でよく議論をしたらいいと私は思います。きのうも党首討論で志位さんと小泉総理がこれらの問題において議論をされておりましたけれども、ああいう議論を大いにこれからやるべきだと思います。  健康保険の問題で、一定の前提を置いた改革があったとすれば、鳥取県に影響を受ける人が何人いるのかということでありますが、これについては、多分わからないと思いますが、その詳細を福祉保健部長の方から御答弁申し上げます。 ◯議長(村田実君)藤井福祉保健部長 ◯福祉保健部長(藤井喜臣君)お答えいたします。  医療保険制度改革ということで大谷議員からお尋ねがありました影響者数といいますか、被扶養者で保険料を今のところ支払う必要がない年収180万円未満の者の数ということでございますが、御承知のことかもわかりませんが、まず、国民健康保険は健康保険と違いまして世帯単位で加入いたしておりますので、国民健康保険には被扶養者という概念がなくて、いわば加入者すべてが被保険者ということでございます。  あと、職域の健康保険とか船員保険とか共済組合などの医療保険がございますが、それぞれが県の区域を越えた組織でございまして、県単位での被扶養者のデータがございません。ということで、鳥取県で何人影響を受けるかということがわからないのが現状でございます。 ◯議長(村田実君)青木商工労働部長 ◯商工労働部長(青木茂君)県立の高等技術専門学校のあり方についてお答えをいたします。  議員が言われましたように、IT化の進展など産業構造の変化に伴い、地域産業のニーズが刻々と変化をいたしてきております。このような状況を把握いたしまして、専門校が地域に根差した施設になるよう、今年度科目の見直しとか訓練カリキュラムの高度化・専門化等について、企業や労働界の方々に参加をいただきまして、専門校訓練化再編整備検討委員会を設置して、見直しを図ることといたしております。  特に御指摘のありましたOA機器の整備でございますけれども、確かにおくれているものがございます。CADシステム科でありますとかデザイン科のパソコンであります。訓練生が卒業後働きます企業では、既にもうOA化が進んでおります。しかし、国の設置基準が訓練生10人に1台とか2人に1台という基準になっております。1人1台になるように設置基準の見直しや補助金の増額を働きかけてまいりますとともに、単県での整備も視野に入れて早期に整備したいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、施設の整備等については、先ほど言いました検討委員会で十分検討して充実したいというふうに考えております。 ◯議長(村田実君)有田教育長 ◯教育長(有田博充君)お答えします。  先月、米子市で開かれました米子市の安田利明弁護士が主催されますこどもの人権広場での感想ということであります。  たくさんいろんなことを感じましたけれども、その中でも特に参加者から農業の経験、あるいは自然とのかかわり、あるいはみんなで地域の人々などと一緒に触れ合いを通して子供たちは育っていくというようなことも改めて認識をしました。さらに、座学といいますか、教科の勉強が余り得意でない生徒、あるいは不登校傾向の生徒たちが学べる場が欲しいというような御要望もあったところであると認識しております。  淀江産業技術高校の跡地利用ということでありますが、基本的には先ほど知事答弁のとおりであると認識をしております。  ただ、1つ、本日の冒頭、福間議員の御質問にお答えしましたように、非常に建設的な御提言もいただいておりまして、多様な選択肢があると考えております。私としましては、できれば教育関係施設に利用していただければありがたいと、そのように認識をしております。 ◯議長(村田実君)9番大谷輝子君 ◯9番(大谷輝子君)知事は大橋川の問題でああいうふうに答弁されました。こだわるという点で御不満のようでした。自分は十分やっているのにという感じだったのですけれども、本当にどういう災害が起こるかわからない非常に重要な問題。住民の生命と財産を守っていくという第一義的な任務にかかわる問題ですのと、それと、長年住民が被害を受けて、そして住民の運動があっている問題であります。  しかも、知事は、よくなかったら反復協議をしてとかおっしゃいました。しかし、やるのは国土交通省です。前の建設省です。それが、これまで住民団体からは、シンポジウムに出てほしいとか、これこれの説明をしてほしいという要望をいたしましても、一度も応じなかった経過があります。国土交通省が行います説明会というのは、本当に質問が制限されまして、やっぱり一方通行です。そして、3点セットがこんなにいいというビラだけは、随分莫大なお金を使って何回も何回も市民に出していくわけです。そういう点で、にわかに国土交通省が本当に住民の立場に立った新しいアセス法の立場でやるかどうかという問題についての住民の不信感、心配はぬぐえないというふうに思っているのです。  知事の考え方が前進していることは私も住民も承知しています。しかし、事業者は国土交通省です。それで、スコーピングという、これは環境省が出したもの、一昨日いただいたものですけれども、つまり、住民でなくても今度は広く意見を聞けるのです。それを前もって聞いてつくっていくのか。方法書をつくるかというその保証について具体的に要求されるかどうかというのを確認しておきたいというふうに思います。  それと、実施に当たってベスト追求型というのが今度の新しいアセス法の内容で、これまでの目標クリア型から、いわゆる閣議アセスからベストを追求するという点で、やっぱり後の代替案ともかかわりますけれども、例えば本庄工区の干陸問題でも、島根県の行いましたアセスが不十分だということで検討委員会を設けます。そのときにも、やはりちょっと性格は違いますけれども、水産振興と対案を持って検討をして、あれは大変不十分な結果ではありますけれども、住民もそれが見えるようなことをするとか、鳥取県でも中部ダムの問題でも、アセスはいたしませんでしたが、再評価委員会も議会も住民も、ダムの場合と河川の場合をきちっとわかるようにして検討していくわけです。
     ですから、これだけ住民が大変な心配をして長年反対してきた問題について、そういう姿勢をとり続けていた国土交通省がする場合は、やはり新しい環境アセス法に言われている点がきちっと保証されるように、県が努力される必要があると私は思うのです。  そういう点で、準備書、手続書をする場合にも、例えば堤防ができてからの弓浜の農家の被害の状態ですとか災害の状態ですとかそういう問題、直接聞く必要があると私は思うのです。それをさせるためには、鳥取県は知事がおっしゃいます現地主義というのが非常に問われているというふうに私は思っているのです。やっぱり知事は前段の中海問題に関する住民の不信感が、実感として十分胸にわかっていない面があるのではないかなという思いが私はあるのです。  それで、私は、4月20日に神戸で行われました阪神復興研究センターの総会に行きまして、知事の1時間の講演とシンポジウムを聞きました。後で、大谷さん、議会楽しいでしょうと皆さん言ってくださったのです。大変な感動と支持でした。もういろんな方がいらして。私、何を支持したかといったら、あの決断ですけれども、それを進めた現場主義、情報公開、説明責任、公共事業の見直しによって財源を生み出して、同時に環境も守っていくということと、やっぱり国のやり方に対して住民の立場に立ってきちっと意見を言われたという点で、情報だとかそういうことが全部見えてきているということが非常に重要だというふうに私は思います。そういう点を、本当に新しいアセス法に沿ってきちっと国土交通省にも要求し、島根県とも話し合い、住民にそうだよといって進められるかどうかという点です。  それで、特に予測の不確実性という問題ですけれども、住民はすべて科学者ではありません。科学者でない素人の方が多いのです。だから、それを判断するものというのを住民の多くは持っていないということを前提に、やっぱり県の責任、行政の責任というのはすごく重要だと私は思う。どういうふうにして不確実性を判断するのか。それをアセス法で言っているようにきちっと全部を公開して説明してくれない限り、住民は大変だと思うのです。私は、そういう点を知事にもう一度聞きたいというふうに思います。  消防の問題です。ちょっと答弁が違っていたのじゃないかなというのが私の印象ですけれども、それはどういうことかといいますと、私は「危機を考える」を読ませていただきました。新聞記事を見まして、それでこれをすぐ読んだのです。そこに、常備消防を動かすことができる管理権・指揮権が県になかったと。それが問題なのだと。現在のような市町村消防をもとにした広域消防体制のあり方は速やかに、速やかにですよ、改められなければならないことだと思う。現在の常備消防は、大規模災害に対応する上で極めて効率の悪い指揮命令系統となっているように思うといって、県消防にとなっているのです。  私は、改めて消防組織法というのを見まして、18条の2と20条の2。18条の2に詳しく県がなすべきことを書いてありますし、20条の2には、知事の勧告・助言等が書いてあります。それで、今回質問するに当たって、それぞれの3つの国が決めています消防力の基準と、それの附則についてお聞きしました。すぐには出ませんでした。結局は、私は西部は西部からいただいていました。そして、東部は松本さんにとっていただき、中部は11年の分しか出ないのです。そういう点で、そういうこともつかまないで、県が組織法に言われていることを果たしてきたかどうかということもなしに、いきなりこういうふうなものが出てくるということは、私は大変危険というか心配というか恐ろしいというか、そういう恐ろしさも感じました。率直に申し上げます。  そういう点で、やっぱり反省や具体的なそういう県が果たしてきたこととか、今の広域消防がどういう努力をしているか、そして、どうあったら一番いいかということなしに、いきなりああいう指揮命令系統を出すというようなことでいいのかということで、問題は結局1つはやっぱり基準です。基準を満たす消防力を強めていくことと、自衛隊は大変評価されましたけれども、西部広域なんかに行ってもおっしゃいません。おっしゃいませんけれども、地域の消防団を含め本当に頑張られたのです。けれども、全県的に頑張れなかった責任は、管理者の米子市長にあるのではなしに、やっぱり県にも大きくあったのじゃないかというふうに思っているので、その点で、自衛隊はあるから使えばいいと思います。私も賛成です。しかし、あれは消防とか防災とかそういうことで設置され訓練した組織ではありません。だから、たとえ自衛隊の数が減っても、やっぱり消防の方を十分まず組織力を強めていくことが大事だろうと思います。  その2つの点について、まず質問いたします。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)大橋川の問題でありますが、従来国土交通省といいますか建設省が住民の皆さんから説明会に出てくるように要請しても出てこないということは、多分そういうこともあったかもしれません。人見知りということもあるでしょうし。これからは、今回確認書を島根県との間にもとりましたし、国土交通省とも往復の文書のやりとりもしておりますけれども、市もそうだとは思いますが、県がきちっとその役割を果たしますということを確認したわけであります。  それは、護岸の整備をちゃんとやってくれなければいけませんよ、アセスメントもきちっとやらなければいけませんよ、そのやり方についても内容についても結果についてもちゃんと公表して、住民の皆さんの納得のできるものでないといけませんよということ。堤防開削は、大谷議員は3年後に追いやったという表現をされましたが、今はできませんから、何回も申し上げているとおりであります。今する、しろと言うのは論理矛盾なのです。とにかく大橋川の拡幅をするときには、開削についてちゃんと方針が確定していないといけませんよ、この3つの条件がクリアされなければ、拡幅工事には県の責任で同意しませんと、こういうことを天下に明らかにしているわけであります。  したがって、今後この問題については、県民の皆さん、両市の市民の皆さんのいろんな不安とかというものを県が受けとめて、それを解消する、そういうことを県が確約しているわけでありますから、むしろ大谷議員がるる述べられた御懸念を解決するために、今回確認書を結んだということでもあるわけです。その辺をよく御承知おきいただきたいと思います。  今後やるであろうアセスメント等につきましては、当然現場の不安を解消するのが一番でありますから、現場の皆さんの意見を伺うということはあると思いますし、何よりも市の方でそれは当然やられるはずであります。県と市で一緒になって、これからこの問題に当たっていきたいと思います。  また、住民は素人ではないかというのは、それはそういう面があると思います。それは、県や市が専門家の皆さんの意見を聞き、その判断を求める、そしてそれらも含めて公表するということは、途中経過であるだろうと思います。  消防の問題でありますが、先ほどお示しになられた本は、防災監とか数名が書いた労作であります。私は多分監修か何かしていると思いますが。その中で、防災監が昨年の災害復興を経験して、みずからの考え方を披瀝しているのだろうと思います。それはあくまでも防災監の考え方であります。  それも含め、先ほど来言いましたように、市町村合併が行われた場合には、理論としては、考え方としてはもう一回分解するということもあるわけでありますが、そういういろんな選択肢をこれからみんなで考えてみましょう。少なくとも昨年の災害のときには必ずしもうまく機能しなかったという印象を私は持っているものですから、みずから災害対策本部長を務めて、もちろん消防の皆さんには一生懸命やっていただきましたけれども、これからのことを考えれば、まだ改善の余地があるという印象を持っているものですから、このことを率直に申し上げて、これから広く県民の皆さんの議論の対象にしたいというわけであります。  その際に、大谷議員は、あくまでも消防力を強化すれば解決するのではないかとおっしゃっておるように聞こえるのですが、今回私が感じました消防の改善の余地というのは、消防力の強弱の問題ではないのであります。消防力を強化したら解決するという問題ではないのであります。1つは、いざというときに命をかけてというか、本当に力いっぱい災害復興に当たれるかどうかという、その政治責任の問題なのであります。  私は鳥取県民の皆さんから選ばれました。しかし、島根県や岡山県の県民とは関係ありませんので、島根や岡山で同じような被害があって、お困りの方がおられましたけれども、同情はしますけれども、そこまで手を伸ばそうという気は当然ないわけであります。  もちろん広域消防の場合には、今の他県との関係とは違いまして、それなりの手続を経て米子の市長が西部の広域のトップになり、鳥取市長が東部の広域のトップになっておられますから、必ずしも例としてはよくないとは思いますけれども、本当にある特定の市の区域から選ばれた方が、その区域を越えて全域について体を張って命をかけてということが実現するのかどうか、そこはよく考えてみる必要があるのだろうと私は思います。建前はいいのですけれども、現実の問題となったときに、いざというときに、本当にそこまで考えが及ぶかどうかということは、平時においてよく検証しておくべきだろうと思います。  そういう点で、今の広域消防というのは、日常はいいと私は思います。ごみを処理したりというのはいいと思いますけれども、いざというときに少しそぐわない面があるのではないかという印象を持っているものですから、あえて問題点を提起したわけであります。  案を出すこと自体が何か恐ろしいという、共産党の方はよくそういうことを言われるので、何かが始まると軍靴の足音が聞こえるというふうに、非常に一足飛びに論理が飛躍することがあるのでありますけれども、決してそんなことはありません。私は本当に率直に問題意識を持ったものですから、これから議論をしてみたい。決して県が一方的に押しつけるというものではありませんので、念のため申し上げておきます。 ◯議長(村田実君)9番大谷輝子君 ◯9番(大谷輝子君)2つの問題について、簡単にあと聞きたいと思います。  大橋川の問題ですけれども、不安を受けとめて県が解消するために努力するということですので、そこで、不確実なものがあった場合とか、住民から意見が出たときの、それを反映したり、それを問題を解決するというか解消していくというか、そのプロセスというのはどうなるかというのを具体的に聞いておきたいというふうに思います。  消防の問題ですが、私は案が出ることを怖いなんて申し上げていません。ここを多分知事も読まれたと思うし、こういうものがちょうど時を同じくして出ましたから、同じことが出てくるわけですから、これを読んで、知事も一緒に考えていらっしゃるのだろうかというふうにだれでも考えがちですけれども、私、西部広域で県がどれぐらい意見を聞きましたか、話し合いましたかと聞きましたら、向こうが訴えられたのではありません、聞かれたからやむを得ず、本当にこの件に関してはありませんでしたということでありました。  ですから、18条の2や20条の2に言われているところを、県自身が本当にどうだったかということも出して、どうあるべきか、一番住民に密着しながら初動態勢がとれながら、しかも全県大きな災害のときにちゃんと有効に機能するという点ではどうかという点は、現場の意見をよく聞いて進めるお気持ちがあるのかどうかということを私は確認しておきたいのと、やっぱり体制は問題です。ここで時間がありませんが、西部は港も持っております。空港も持っております。本当に人も機器もたくさんいる場所です、特に西部というのは。そういう点で、体制について充足するのは最低限のことじゃないかと。これが問題だというふうに言っていないのです。全部問題なのだけれども、こういうところが問題ではないですかということを言っていますので、お聞きしたいと思います。  淀産の件です。私が一番聞きたかったのは、どう生かすかという問題です。これまでの経過に触れる時間がございませんので、どう生かすかという問題であります。  つまり、教育長がおっしゃいましたけれども、4月19日に卒業生が来ていらっしゃいました。子供が必要としている道を閉ざしてしまってはだめであると思うと。淀産は子供が必要としている、こういう学校は。大人が高校に通うのではなくて、子供が勉強するために行くということと、農業高校の実体験しながらの勉強がいかに体も大きくしたし強くしたし、勉強もしたし心も成長したという意味のことを紹介できないのが残念なのですけれども、切々と訴えて、本当に知らなかったから、だから何もすることができなかったことを非常に残念であるといって卒業生の青年が訴えられました。  私も大人として責任を感じたわけでありまして、この130年の豊かな成果と、そういう人々の声を生かして、跡地の利用については初めからそういう人たちの意見を聞いて、民主的に進めて信頼を回復するか。住民の皆さんの積極的参加を保障する、地域に役立つ教育、農業を生かすそういう施設としての要望について、十分受けとめてやるかどうかという点について、改めて教育長と知事にお伺いしたいというふうに思います。  専門校については、知事と部長から前向きの答弁をいただきましたので、ぜひお願いしたいというふうに思います。よく聞いて調査して、地域の企業の皆さん、例えば本当に整備工場もつかんでいらっしゃらなかったのです。330幾つとおっしゃったのですけれども、実は497で、振興会に入っていない会社を含めると500以上だろうと振興会はおっしゃっていました。そういうことですので、ぜひその点はよく聞いてやっていただきたいと思います。  あと乳児の医療費の助成の問題ですけれども、やっぱり市町村では受けとめられないところがたとえあるとしても、県としてこの重要性というものを先進県に学んで、ぜひとも前向きに検討して、その効果というものを、例えば岐阜県の笠松町は中学までで、永住する人がふえ、20代の人が帰ってきた。そして、出生率がふえて人口の減がとまった。そして、町のする仕事もこう変わったと言っている。今までのむだな箱物づくりから住宅、アパートやマンションが建って、建設業の倒産が相次いでいる中で、不況克服にも大変大きな影響が出ていると。全部紹介したいのですけれども、そういうふうに言われているので、ぜひこういう点で検討されるお気持ちがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。  最後、時間がなくなりました。医療改革の問題は改悪です。やっぱり国が減らしているのです。大体45%から32%に減らしています。介護保険で介護では50%から25%、こういう道を行っているのです。ここのところが重大問題であって、本当に介護が受けられない人が出ていると同じく、医療から排除、早期発見、治療がおくれたために重病化して命を失った上に医療費は増嵩する。労働者にとっても医者にかかれない時代になる。連合の参考人が衆議院でも本当にそのことを言っておられました。心ならずも重病になって、本当にそういうときに医療が受けられないような医療保険制度があるのかと言っておられた。 ◯議長(村田実君)時間です。 ◯9番(大谷輝子君)この点について、ぜひ知事の調査とか検討を要望したいのですが、お尋ねしたいと思います。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)大橋川のこれから国土交通省が行われる環境アセスメントについて、住民の皆さんとの間でどういうやりとりをするのかということ。このプロセスは、今の段階で機械的に一元的に決めているわけではありません。これは、要はどういう内容が出てくるのかにもよりますし、それより前にどういう内容のもので、どういう方法でやらなければいけないかということを模索しなければいけないわけで、そこから一から始めることになります。  いずれにしても、不安をなくすだけではなくて実害が生じないようにするということが一番でありますから、米子、境港の市民の皆さんの意向がちゃんと反映するような仕組みを、これからみんなで模索をしていきたいと思います。  それには、私ども県庁も一生懸命取り組みますけれども、米子、境港の市にもそのことはお願いしたいし、また該当の県議の皆さん、市会議員の皆さんにも、住民の皆さんの不安、懸念というものをよく酌み取っていただくように、そしてそれを議会を通じて反映させていただくようにお願いをしたいと思います。  消防でありますが、もう何回も申し上げておりますが、一方的に進めるつもりは全くありません。県が何か野望を持って市町村を取り込もうとしているというそんなことではありません。本当に災害対策、応急対策、復興対策を一生懸命やった者として、どうしても懸念がぬぐえない。もっとよくするには何かいい方法があるはずだというそういう思いからであります。防災監も決して野望があるわけではありません。要は選択の問題であります。あえて厄介な仕事をやりますよということを申し上げているだけでありまして、そんなことは必要ないと県民の皆さんが言われるのであれば、私どもとしては何をか言わんやの問題であります。  やっぱり問題だなと思いましたのは、先ほど米子市長が日南町までカバーするのはどうかという話を申し上げましたが、もう1つは、郡部の町村長が常備消防に物を頼むのを何かちゅうちょされているという場面が幾たびとなくあったのです。本来ならば、みずからの指揮権のもとで常備消防を駆使すればいいわけでありますけれども、何か遠慮されていて、まるで自衛隊か何かに頼むと同じような意識で常備消防に接しておられるという場面に接しました。これはやっぱり組合で消防をつかさどっていることの一つの大きな弊害だろうと思います。決して消防力の問題とか県の野望とかという問題ではありません。  今の消防組織法を使えばうまくいくのではないかということ、これも一つの考えではあるのですが、やはりこれも経験上、制度がうまくなっているから、建前がうまくいっているから運用がうまくいくというわけではありません。やってみて、よくわかります。建前と運用の実態というのはやっぱり違います。それで運用がうまくいかないのであれば建前を変えるということ、これも我々はやはり考えてみる必要があるのではないかと思います。  いずれにしても、選択肢として県は考え方を取りまとめて、いずれ提示をしますので、よく御議論いただきたい。その上でコンセンサスが形成できればということであります。  淀江産業高校の跡地の問題、ちょっと趣旨が私、今質問をよく酌み取れなかった面があるかもしれませんが、ピントがずれていたら申しわけないのですが、土地があるから何かに使えという議論ですと、ちょっとそれは違うと思います。いい土地の使い方がある。有効な土地の使い方がある。しかも、それが以前の使われ方が教育施設であったということにふさわしいということであれば、それはもう大変結構なことだと思います。そういうものがあれば優先的に使うということになると思いますが、あえて土地があるから何か使わなければいけないといって需要をつくり上げるということは、やめなければいけないと思います。  乳児医療の問題は、先ほど考え方を申し上げましたが、やれればやるにこしたことはないと私も思います。私もたくさんの子供を育ててきまして、やはり小さいころは随分病気もしました。医療費もかかりました。ですから、これからの少子化の時代に子育てを不安なくしていただくためには、医療費の軽減というのは有効だろうと私は思います。要は県の財政がどうか。市町村の財政がついてこれるかどうか。さらには、いいことということでやった結果が、政府から市町村の方にペナルティーが課されるという現実、これらをどう考えるかということであります。いずれにしても、市町村とよく相談をしてみたいと思います。  医療費の改革の問題につきましては、これも先ほど申し上げましたが、私は、今のままでいくとやっぱり破綻してしまうのではないかという政府と同じ懸念を持っております。ぜひこれは永続させなければいけない。永続させるにはどうすればいいのか、医療費の増大を抑えるにはどうすればいいのか、その手法をみんな考えあぐねてきて今日に至っているわけであります。  自己負担をふやすことによって医療費を抑制させるというのは、大谷議員から見れば不道徳だ、邪道だとおっしゃられるのでありましょう。そういう面は私も若干気になる面はないわけではないのですが、では、医療費を抑制するために他にどういう手法があるのか。医療費の抑制を通じて医療費の制度を永続させるためにどういう有効な手法があるのか、これが見当たらないのでみんな悩んでいるのであります。国庫がどんどん出せばいいじゃないかと、これは問題の解決にはなりません。医療費はどんどん増大するだけでありますから。そういうことで思いあぐねて、今回の構造改革の中に医療費の抑制といいますか、医療費制度の改革というのが大きな柱で出るはずでありますから、これをきっかけにして国民的な議論をしたらいいと私は思います。 ◯議長(村田実君)有田教育長 ◯教育長(有田博充君)施設も含めて今後どう生かすかということであります。  先ほどお答えしましたように、福間議員からもきょう非常に積極的な選択肢を御提示いただいております。引き続き、今まで高校再編成に関します高等学校等の設置条例の一部改正、民主的な手続を経て決定いただいておりますように、今後の活用方策についても、幅広く御意見をちょうだいしながら活用に努めたいと考えております。 ◯議長(村田実君)5番長谷川稔君 ◯5番(長谷川稔君)(登壇、拍手)社会民主党カレッジの長谷川稔です。  まず、ハンセン病問題に対する取り組み方について質問いたします。  熊本地裁判決は、1つは、遅くとも隔離の必要性のなくなった1960年以降の強制隔離は憲法違反であること、2つには、それを1996年まで法の改廃をしなかった国会の立法作為の責任をただしています。そして、国家賠償を求めています。  この病気は微弱な慢性感染症でありましたけれども、その症状が顔とか手足に出るということで不治の病のように言われ、また、あるときまでは遺伝病のように言われました。また、戦前の発生率が男性3、女性1という割合で発生するために、時の軍備増強を考えていた軍部は、兵力増強に支障を来すとして、祖国浄化の標的にしたという背景もあったと思われます。  治療薬プロミンによって既に療養所入所者の90数%が無菌者であり、現在入所されている方は患者ではなくて元患者、後遺症の治療についておられる方であります。全国の療養所入所者は4,450人となり、平均年齢は74歳となっております。厚生労働省としても、90年にもわたって続いたこの強制隔離政策、この原因を検証機関を設けて十分な反省、正しい方向に向かうよう、今取り組もうとしております。  そして、何よりも今求められるのは、ハンセン病元患者の全人格を奪った国は、療養所に眠る2万3,700人を含め、元患者及び家族の尊厳回復であり、隔離政策を許してきた我々国民意識への啓発を行うべきであります。  そこで、鳥取県における取り組みをお伺いをいたします。  県も国の誤った医療政策に基づき、しかも、進んで本県から患者を送り出す無らい県運動を展開してきた反省に立たなければなりません。  知事は今月12日、岡山県の長島愛生園、邑久光明園を訪ねていますが、本県は早い時期から療養所への訪問、また患者の一時里帰りなどの交流事業を行ってきており、前西尾知事も全国で初めて2つの園を訪問しており、そして今回、ハンセン病訴訟確定後、片山知事も即座に行動をとったところであります。  順序は問題ではありませんが、岡山県知事が1日前に県内にある近くの療養所を訪ねておりますが、これとて鳥取県知事が来訪されるということが園内で放送されて、それにあわてて急遽、岡山県議会直前の数時間前に訪ねたというのが実情のようであります。  また、岡山県では今日まで、ハンセン病患者は収容されなければいけないという内容の副読本が小学校で186校、中学校では施設を抱える邑久郡の4つの中学校のうち3校が使用していたという残念な事実が続いていたことも見逃すわけにはなりません。  また、片山知事の長島訪問の新聞報道に関して、2つの点を申し添えたいと思います。まず、詳しく報道されなかった点で、長島に橋がかかっていない時代、患者が船で上陸をする桟橋あたりの回春寮周辺を、今「啓発の森」として整備されようとしており、その植樹第1号として片山知事が植樹をされたということを、その意気込みを知る者として明らかにしておきたいと思います。  他方、同行された取材記事の中に、知事から明確な謝罪の言葉が聞かれなかったと書かれた報道がありました。この議場を通して改めて明らかにしていただき、あわせてハンセン病問題を福祉救済措置に終わらせないために、今後の取り組みにおいて、鳥取県においてもこの問題に対する歴史と真相を究明して、県民の前に明らかにしておくことが必要であろうと思います。あわせて、鳥取県が今取り組もうとしている施策についてお伺いをいたします。  次に、池田市の最悪とも言える殺傷事件について、この事件が精神障害者と結びつけられ報じられるたびに、今精神科医に治療に行っている人、作業所に通所している人及び家族から、そのことを話しにくくなったという動揺が起き、心理的に追い詰めています。誤解を恐れずに言えば、今回の犯人は精神分裂症ではなく人格障害、生育歴にこそ問題があったと受けとめるべきではないかと考えております。  全国精神障害者家族会連合会は18日、今回の事件の報道のあり方について次のように要望しています。犯人の入院・通院歴や病名が重要な要因のように報じられ、精神障害者の犯罪という図式が形成されたとして、その上で、1つ、事件の背景や病気の状態が明らかでない段階で病名や入院・通院歴を報道しないこと。2、精神障害者だと一律に法的責任能力がないかのような誤った報道をしないこと。3、今回の事件を法に触れる精神障害者の処遇に短絡的に結びつけない内容で報道してほしいという要望になっております。  こうした状況に立ちまして、鳥取県が今取り組んでいる精神障害に対する県民への理解促進についてお尋ねをいたします。  次に、東郷町方面地区に仮置きされているウラン残土撤去問題について質問をいたします。現状は裁判中でありますが、東郷ナシの出荷期に重ならないよう早期解決を期待し、その見通しをお尋ねいたします。  裁判による解決は、法定での論争をアピールし、世論を背景に打開しようとする方法だと考えます。裁判での論点は今どこにあるのでありましょうか。  また、この課題をめぐって、岡山県の石井知事が2月県議会、3月14日であります。鳥取県議会が終わってからの議会の中で、次のように発言をされております。今回の鳥取県知事発言は、第1の土俵、これは岡山県には核物質を持ち込む際には事前に核燃が協議をする協定を上斎原村と結んでいることを内容としております。第2の土俵、これはその後になって、時期的な問題として核燃が方面地区との撤去協定を結んだということを第2の土俵と呼んでいます。この第2の土俵でもない。方面自治会の後ろにいる後援会の会長さんが直接土俵外で話をしようではないかとの申し出であり、現在は訴訟の経緯を見守りたい。また、片山知事は裁判の当事者に岡山県知事を呼ぶなど、裁判の当事者でもない者が岡山県に対して非難をしておられる。私は、第2の土俵で今訴訟になっている段階で、仮にサイクル機構が敗訴することになっても、それが即岡山県に受け入れなさいという第1の土俵で岡山県が負けという判決にはならない、切り離されているものと考えていると述べ──これは正式な本会議での発言録であります──片山知事は、裁判の結果をすべて否定することは岡山県は無法地帯になるなどと不可解な発言をされていると報道で聞いていると、公式の場で発言をされております。  片山知事は、この石井知事の本会議での答弁に対して、今知事が問題解決に当たってどのような道筋を立てておられるのか、改めてお伺いをいたします。  最後に、県としての総合的な水資源対策の策定の必要を求めて質問をいたします。  「禍福はあざなえる縄のごとし」と言われますが、梅雨時期や台風ともなると、雨は一転して洪水、はんらんの被害をもたらします。また一方で、降雨量が少なければ渇水となり、日常生活に不便をもたらすことになります。最近の降雨の特徴は、年間降雨量は少なくなる傾向の一方で、年によっての降雨量の差が激しくなっており、このことは渇水のおそれがいつでも起きるということが考えられます。それだけに、安定的な供給を行うには、適切な利用と保全、循環型節水社会の二本柱で形成をする水資源対策、そして市町村との連携で進められる必要があります。  これまで水問題は水道事業が中心となり、市町村それぞれが確保する自己水源を持ち、公営企業法による独立採算制がとられているため、県の出番は、市町村の水道事業の変更が生じた場合、初めて承認を受けるという役割にとどまっています。しかし、県内では、今も暫定措置ながら倉吉市と羽合町の間で水の融通のケース、また需要予測の誤りから来る水道料金の引き上げ等の問題が起きております。  そこで、県として、水源涵養林の現状、河川水量、ダム、ため池、地下水、農業用水の現状、それらの情報公開。他方、水資源の有効活用としての雨水利用や生活雑排水の再利用、循環、再生、そして何より水消費量を抑制する、減少させる節水運動を進める必要がありますが、これらを含めた総合的な対策の策定の必要性を求めて私の質問を終わります。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)長谷川議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初に、ハンセン病の問題でありますが、私は、小泉内閣になってハンセン病の訴訟が確定したということ、原告の勝訴に終わった、そのことが確定したということは大変喜ばしいことだと思っております。国は必ず控訴をするという情報があったものですから、決してそんなことはしない方がいい、非常に弱い立場にある皆さん方が精いっぱい頑張ってやっと光明が見えたときに、また国がそれに襲いかかるというようなことは絶対にすべきではないと思っておりました。そのことが小泉総理のもとで実現をしたということは、私は大変喜ばしいことだと思っております。  ただ、だからといって、国が敗訴して国の責任が認められたということで、手放しで喜んでいいものではないと私は思います。なぜならば、その政策を法律で決めたのは国でありますけれども、実際に現場で各地域で強制隔離の政策を推し進めたのは全国の都道府県であります。無らい県運動というものを全国的に展開をしたわけでありまして、本県もその例外ではありません。特に本県の場合には、非常にまじめに誠心誠意これに取り組んだという面があります。徹底して取り組んだという面があったと思います。その結果、ハンセン病の患者の周辺に、この病気に対する恐怖感でありますとか強い偏見と差別意識をもたらしたということは否めないと思います。  そういう意味では、今回は国の責任というものが法律上認められましたけれども、県もその大きな一翼を担ったということは自覚をする必要があると私は思いますし、その点については、元患者の皆さん、それから亡くなった元患者の皆さんに、県としておわびを申し上げなければいけない。そういう気持ちの上に立って、これからの存命の元患者の皆さんに対する施策を進めていかなければいけない、これが私の率直な気持ちであります。今申し上げたようなことを、長島の愛生園、邑久光明園に行って申し上げたわけであります。  私のこの率直な気持ちは元患者の皆さんに十分伝わったと思っておりますが、その後で取材がありまして、地元の岡山のマスコミの方も随分来られておりまして、私が今申し上げたようなことを聞いておられたのですけれども、取材のときに、明快な謝罪という言葉がありませんでしたがどうしてですかという質問があったのです。私は、マスコミ風に何か特定の用語を使うことに余り意味を感じないものですから、私が先ほど申し上げたことを率直に受け取っていただければ結構ですという話を申し上げました。そうしましたら、一部のマスコミで明確な謝罪という言葉がなかったというような表現をされたのですが、私にとってはどうでもいいことでありまして、要は先ほど申し上げたような率直な気持ちを患者の皆さんにお伝えをしたわけであります。経緯はそういうことであります。  つけ加えて申しますと、私は長島の愛生園と邑久の光明園に直接伺いましたが、本県の出身の元患者の皆さんは、それ以外の、例えば熊本の菊池恵楓園でありますとか、そういうところにも入所されておられる方がおられまして、きのうときょう、福祉保健部の幹部職員をその本県出身の方がおられる国立の療養所に派遣をいたしまして、私からのメッセージも伝えているところであります。  私も長島の愛生園、邑久の光明園で直接元患者の皆さんからお話を伺いました。これから何をすればいいだろうかということが中心でありますが、今回判決が確定したこと、それから当然のことでありますが強制隔離政策というのは既にもう終わっておりますので、元患者の皆さんが社会復帰を望まれれば、社会復帰の道というのもあるわけでありますが、正直申しまして、もう今さら郷里に帰って社会復帰をするという方はおられないだろうという印象を受けました。長島の愛生園の会長の加賀田さんも、そういうことをおっしゃっておられました。私もそうだろうと思います。  しかし、もう何十年前にもなりますけれども、離れた郷里というものに対する望郷の念というのは大変強いものがあると私はにらみました。定住とか社会復帰という意味ではなくて、折に触れて郷里に帰りたいというお気持ち、これは十分尊重しなければいけないと思います。温かく迎えてもらいたいというのが率直な元患者の皆さんの気持ちであろうと私は思います。  帰ろうと思えば帰れますけれども、帰りたい、しかし帰りたくないというそういう非常に複雑なアンビバレントな心情もあるようであります。やはり郷里を後にしたときの忌まわしい記憶、まるで石を持って追われたようなそういう忌まわしい記憶がいまだに鮮明に残っておられる方が多いわけでありまして、今回郷里に帰っても、またあの当時の同じような目で見られたら、何をしに帰ったのか、帰った意義がないわけであります。私は、ぜひこれから元患者の皆さんに郷里に帰っていただきたいし、その際には、本当に温かく迎えてあげることができる環境をつくることが今一番必要であろうと思います。そのためには、啓発、理解、これを通じて差別と偏見を一刻も早くなくすということ、これが当面急がれると思います。県も市町村の協力をいただきながら、この啓発に全力を挙げたいと思います。  元患者の皆さんがおっしゃっておられるのは、もう既に多くの方が亡くなられておりまして、遺骨として埋葬されておりますけれども、この遺骨をできる限りふるさとに戻してもらいたいということ、これもそのとおりだろうと思います。これにもやはり家族の皆さん、親族の皆さんの温かい理解が必要であります。これを求める努力も県としてこれからやっていきたいと思います。  まだまだほかにもあると思います。私も皆さんに、もっとおありでしょうから率直に意見を言ってくださいということを申し上げたのですけれども、ちょっとはにかんだりされている方もおられましたし、なかなか言葉にならないような面もありました。これから県の職員もたびたび伺いますし、会長さんを通じてでも結構ですから、気がつかれた段階で教えてくださいということを申し上げたわけであります。それに従って、これから必要なことはまた施策として実施をしていきたいと思います。  以上のようなことを、先日東京に参りましたときに厚生労働省を訪ねまして、大臣は国会中でありましたが、桝屋副大臣がおられましたので、御報告を申し上げておきました。桝屋副大臣からもお礼を言っていただきました。私は逆に、鳥取県としてこういう考え方で政策を実施したいので、これは鳥取県だけの問題ではないので、全国の47都道府県すべてに共通する問題であるので、ぜひ厚生労働省の方からも各県にも働きかけていただければありがたいということも、あわせてお願いを申し上げておきました。  ハンセン病につきましては以上であります。  池田市で起こりました殺傷事件でありますが、精神障害者を装って犯罪を犯し、そして罪から逃れようとしたというとんでもない事件であります。しかし、当初、精神障害者が犯行に及んだという報道がありましたので、この報道によるイメージというのは大きなものがあっただろうと思います。一朝一夕ではぬぐえないような、精神障害者というものと犯罪というものとを結びつけるに大変大きな影響というか効果があったのではないかと思います。私は、このことによって精神障害のある方、関係者の皆さんが深く傷ついた面があったと思います。まことに残念なことであります。ぜひこういう誤解というものは解かなければいけないと思います。  御質問にありました精神障害の皆さんへの施策でありますが、特に精神障害に対する理解を深めることについて何をやっているのかということにつきましては、詳細は福祉保健部長の方から御答弁申し上げます。  ウラン残土訴訟の現状と今後の見通しでありますが、現在、第4回の口頭弁論まで進んでおります。これは5月29日でありました。  争点は、方面地区の自治会と動力炉核燃料開発事業団との間で結んだ協定の11項にあります「関係自治体の協力が得られる」というこの文言が果たして停止条件がどうか。要するに、その条件がクリアされれば義務の履行が生じるけれども、条件がクリアされなければ履行義務が生じない、こういう意味での停止条件なのかどうかということ。当方は、当然停止条件ではないということを主張しているわけでありますけれども、先方は、被告の方は停止条件であるということを主張しておりますので、ここが1つ論点になっております。  もう1つは、核燃料サイクル開発機構が人形峠に持ち込んで処理ができないという点について、これは地元の岡山県の拒否があるからだと。そうした場合に、では果たして岡山県に拒否をする法的な根拠、合理性があるのかどうか。我々はないはずだと言っております。岡山県は、拒否よりも何よりも当事者ではないというわけのわからないことを言っておられるわけであります。拒否をしているのであれば当事者であるのですが、拒否をしておいて当事者ではないという非常にわけのわからないことなのであります。これが争点であります。  これについて、岡山県の拒否に合理的理由があるかどうか。停止条件にならないのではないかと、こう原告側が主張して、それについて被告に釈明を求めているという今そういう段階であります。次回は7月になると思います。第5回の口頭弁論があります。  この件に関して、長谷川議員の方から、岡山県知事が議会でるる発言をされておることを今説明をされて、どう思うかということでありましたが、いかがでありましょうか。今伺っておりまして、説得力が全くないというふうに私は聞いていました。正直言って何を言っているのかわからないという感じを持ちました。自分は嫌と言っているのだから関係がないのだと、裁判に負けても関係がないのだと、こういうのは通らないのであります。嫌と言うのであれば当事者でありますから、嫌と言うことによって核燃料サイクル開発機構が行動を縛られているわけですから、それならば、嫌と言う人は裁判に出て、ちゃんと自分の説を述べなければいけないです。嫌と言っているけれども裁判には出ない。けれども、核燃料サイクル開発機構は拘束されるのだと。仮に核燃料サイクル開発機構が負けたとしても、自分たちは関係がないのだ、人形峠に持ち込まれることはないのだと、これは全く論理にならないのであります。  そういう論法が法的に根拠があるかどうかということを裁いてもらうのが、裁判の大きな役目であります。  水の問題でありますが、従来、水の問題でよく総合計画をつくっておりましたのは、総じてダムをつくるために水の需給計画をつくって開発計画をつくるということをやっておりましたが、今、それははやらなくなっていることは御承知のとおりだろうと思います。  それにかわって、長谷川議員のおっしゃるように、この限りある水資源というものを再利用したり節水したりすることによって有効に活用する、そのための総合的な施策の体系をまとめることが必要ではないかというのは、これは私は大いに傾聴に値すると思います。今後、やるとすればどういうものができるのかということも含めて、よく考えてみたいと思います。 ◯議長(村田実君)藤井福祉保健部長 ◯福祉保健部長(藤井喜臣君)精神障害の皆さんに対する施策についてお答えいたします。
     長谷川議員の御発言がありましたように、このたびの事件で精神障害のある方や関係者の方々の心を大きく傷つけたことは、まことに残念でございます。  精神障害、これは身体障害、知的障害と同様、地域社会の構成員の個性としてとらえ、受けとめる考え方が必要でございます。  県では、今後とも精神障害を初めとする障害者の皆さん方の社会参加を進めるため、県民の正しい理解を促進してまいりたいと思います。具体的には、心の健康フォーラムでありますとか、障害者によるイベントづくり事業、あるいは小規模作業所への運営費の助成などの普及啓発や、県民と障害者の交流促進のための施策にさらに力を入れて展開してまいりたいと思います。 ◯議長(村田実君)5番長谷川稔君 ◯5番(長谷川稔君)まず、ハンセン病問題に対する知事の取り組み、また最近の行動を見ておりまして、政策としては国の誤った医療政策を越えた、本当に人権侵害の誤った政策であったわけでありますけれども、そういうことで国の責任というふうに整理するのではなくて、その一翼を担ったといいますか、むしろ実際動いたのは地方自治体、地方自治がまだ確立していない時代も含めてでありますけれども、県であったということを十分自覚されての行動であるということで、本当に今その認識に共鳴するところであります。  今後の対応につきましても、さき方おっしゃったように、まだ入所されている方の、我々からいいますとふるさとにお帰りいただきたいと思うのですけれども、しかし、実際問題なかなか家族の方がもう既に亡くなっておられたり、まず何よりも、その方の意思はあっても、やはり受け入れ態勢、家族の方を含めて周辺の理解というものが本当に高まっていないと、今の時期に、また改めてということに、どうしてもまだそういう懸念が残っておりますので、さっきおっしゃる時々といいますか、折に触れて地元に帰っていただく。そして、くつろげれるような場所、そういうものを考えていくということが求められているのではないかと思います。  遺骨の里帰りというのも、お骨になっているから簡単にいくように思いがちですけれども、これもやはり同じことでして、家族の方からすれば、うちから患者を送り出してしまったのだという、ハンセン病元患者であったということを今名乗りを上げるということになっていくわけですから、これも本当に我々の周りの認識というものがしっかりしていかないと、遺骨であってもなかなか受け入れていただけないという同じ条件があろうと思っておりますので、本当に力強い啓発、理解を得る活動を進めていただきたいなと思っております。  また、岡山県の療養所を訪ねていただいて、患者の方が、鳥取県はこの問題によく取り組んでいただいているという、本当に誇らしげに、他の県の入所者の方に鳥取県の方はいいなと、そういう感じで今おってくださるというのが、せめてもの救いであるということも申し上げておきたいと思います。  精神障害者とこのたびの事件との結びつけといいますか、本当にこのことにつきましては、今こそ精神障害というものに対するもともとの理解というものが余計求められているのだと思います。法律の方でも、このたび精神障害が他の身体とか知的障害の2つの障害者法と並んで3つの障害者法にあわせて国の方でも対応していく。県でも対応していく。その考え方というのは、精神障害というのを特別視するのではない、病気は抱えているけれども、むしろ社会の中に出ることによって初めて回復も進むのだという、むしろ社会参加を促していく精神障害者法の3法への組み入れであったと私は理解しているわけです。施設も平成5年までは精神障害者は福祉施設が使えなかったという事実もあります。  ですから、今回残念ながら本当に許せない、最悪の事件が起きて今の事態を迎えているわけでありますけれども、それだけに、今鳥取県が取り組んでおられます小規模作業所の運営などへの助成促進、これらは本当に大切になってきているなと私は思います。これまで精神障害者というと、病院に入っているか、あるいは勢い家庭に閉じこもっているか、その中間社会というものが存在していなかった。そこに、社会復帰への足がかりとして、小規模であっても作業所などで一緒に交流をしていく、いい社会へのステップの場になっているわけですから、今続けていただいている取り組みを、ぜひこれからも強めていただきたいと思っております。  ウラン残土撤去問題であります。  今2つの論点というものがありまして、いわゆる関係自治体の理解がなしには施設への搬入ができないという核燃の主張が、果たしてすべてが動き出せない絶対条件であるか、停止条件であるかということと、岡山県が果たして核燃に持ち込むことに拒否をする立場にあるのかということがその争点の柱になっているように伺いました。  岡山県も、核燃に対しては非常に不信感を持っているわけです。さっきも言いました第1の土俵、第2の土俵という、第1の土俵は、方面地区が撤去協定を結ぶ前に、岡山県は上斎原と核物質を初めとする何かを搬入するときには岡山県上斎原村の了解がなければできないよという協定を持っていたわけです。その後に、時系列的に言えば90年の8月ですから、後になって方面地区と核燃が協定を結ぶ。鳥取県がその立ち会いになるという、後に協定を結んでいることが、今どちらが果たして優先権があるかということであろうと思いますけれども、私は、この問題については、核燃が事業主体者となって岡山県とも結んで、そしてまた鳥取県とも結んでいる。核燃というものは変わらないわけですから、私は時間的なおくれはあっても撤去協定というのは当然有効であるし、また核燃はその責任を果たさなければいけないという立場は少しも薄らぐものではない、免れるものではないと思うのです。  岡山県が関係自治体ではないと言いながら、いわゆる間接的には、その問題、話があったときにはうちは拒否をしますよということで今から予防線を張っているわけですけれども、岡山県に持ち込むのじゃないと思うのです、今のウラン残土を。岡山県にある核燃の施設に持ち込むのだという考え方がやっぱり大事だと私は思うのです。そうしないと、鳥取県対岡山県という話になってしまうので、やっぱり核燃が、施設を持っている核燃の施設内で処理をしていくということだと思うのです。そして、今そのためにも核燃は、私は時間をかけ過ぎだと思いますけれども、実証試験もやっているわけですから、これは強くこれからも主張していただきたいと思っています。私は必ず残土撤去が履行される結論が得られるという確信を持っておりますので、再度知事の見通しを改めてお聞かせをいただければと思います。  最後に水資源問題を取り上げました。こういう問題を総合的な大綱みたいなものを策定する必要があるという場合には、少しは、それこそ知事がいろんな計画というものは先を見込んでしまって、むしろ計画に拘束をされるという危険性を水問題の場合は特に持つわけです。これまでの事例というのは、水資源公団などが国の水需要というのを鳥取県のところまで策定をしてくる。それを受けていろんな計画がつくられていくということで、過剰水需要ということで、いろんな設備ができるという関係にあったわけです。  私がここで言いたいのはその逆でして、むしろ水問題というのが余りにも水道というものを中心に考えられて、それは水道というのは市町村の固有業務ですから、だから、県はほとんど市町村の水需要というものを、今どんな状況にあるのかというのを把握ができていなかったと私は思います。それは中部ダム問題のときに痛感いたしました。  県の役割というのは、市町村の水需要が今どういう状態にあるのか、それは上水道だけじゃないです。さっき言います地下水や農業用水、さらには水源涵養林の状態がどうなっているか、本当にそこにこそ網羅的なものを含めて状況把握をする。そして大事なことは、水問題というのは情報公開というものが絶えず出されていくということが大事です。あわててすると、急遽物事をしようとすると、また逆に10年越しの計画を立てたり施設をつくったりするということにもなっていきますので、絶えず動きをつかんでおく。そして不安のないようにしていく。そして、さらに政策的には水需要を抑制していく、限りあるものなのだという基調でいろんな対応をしていくという、そこに政策というものが出てくると私は思います。  福岡市がああいう年の大渇水を経験していますから、確かにトイレの水などがいつまでも上水道を使わなければいけないという理由はないと私は思うのです。上水道というのは公営企業法ですから、つくった以上は、運営する以上は、消費を進めなければいけないという面もどうしてもあったと思うのです。その辺をもう一度、今の循環型社会ということに立って、県の方が水というのはもっと有効活用しよう、循環利用しようというような大きな政策を打ち出して、県もできる施設だとか政策を出す。そして、市町村にも協力をいただくということが非常に大事ではないでしょうか。  以上の点で、また知事のコメントをいただければと思います。 ◯議長(村田実君)片山知事 ◯知事(片山善博君)(登壇)ハンセン病でありますが、これから啓発に努めていかなければいけません。この病気については、まず無知と偏見、差別意識があります。これを解消しなければいけないと思います。  私は、やっぱり事実というものをちゃんと知らせるということが必要だろうと思います。それは、この病気が一体どういう病気であって、今医学的にどういう治療をされているのかということ、これをちゃんと伝えることが必要だろうと思います。私も実は邑久の光明園で、ある程度時間をかけて専門の先生からいろいろ教わってまいったりもしました。過去のらい予防法の時代からハンセン病の元患者に対してどういう扱いがなされてきたのか、その方々がどういう人生の軌跡を歩んできたのか、このこともプライバシーの問題によく注意をしながら多くの人に知っていただくということが必要だろうと思います。本当にそれはむごい人生であります。家族と本当に引き裂かれてしまう。引き裂かれてしまうよりも、家族から捨てられてしまう。存在自体を社会的には抹消されてしまうという、そういうような本当にむごい人生であります。  伺いましたときに、本県出身の女性の方に話をする機会があったものですから、いかがですかと聞きましたら、今は本当に感謝しています、感謝の毎日ですとおっしゃっておられました。でも、おばあちゃん大変だったでしょうと問いかけますと、本当にとめどなく過去の自分のつらい人生を話していただきました。とにかく何度死のうと思ったかしれない、そこから入所生活は始まったというようなことも伺いました。元患者の皆さんに、それぞれ一つ一つ違ったむごい人生があったと思います。  そのむごい人生というものが、本当に医療上不可欠であったというのならまだしもでありますけれども、誤解に基づいたり、行政の怠慢でありますとか政治の怠慢によって不必要にそのむごい人生が続いたということ、このことがさらに元患者の皆さんの人生を残酷なものにしたのだろうと私は思います。そういうことをできる限り多くの皆さんに知っていただいて、そこから無知と誤解と差別と偏見をなくしていくようにしなければいけないと思っております。  精神障害の方に対する施策でありますが、おっしゃるとおり社会参加を通じて病気の回復を図る、社会復帰への一歩とするということ、そのための小規模作業所等の施策は重要だと思います。これからも積極的に進めていきたいと思います。  ウラン残土の問題でありますが、これは、先ほど論点は2つあると申しましたけれども、要は方面地区の皆さんと契約を結んだ、約束をした核燃料サイクル開発機構が、みずからの事業所で日本国の法律にのっとって平穏かつ公然と処理できる問題であると私は思っております。核燃料サイクル開発機構も、第三者からの横やりがなければそうできるわけであります。合法的に人形峠で処理できるわけであります。それをされないのは、岡山県が鳥取県の土を持ち込ませないと言ったからという、それが呪縛になっているわけであります。それに呪縛されることはないはずです、根拠はないはずですということ、これが一番のポイントであります。岡山県が持ち込ませないと言うのであれば、ちゃんと法的な根拠を示してくださいと。その法的根拠というものが非常にあいまいであります。  推測するに、先ほど長谷川議員がおっしゃったように、岡山県と核燃料サイクル開発機構というか、その前身の動力炉核燃料開発事業団との間に何らかの約束があります、協定があります。その中で、新しい施設を整備するとかそういうときには協議が要りますということがあるようであります。今回のウラン残土の処理はそういうものには当たらないのだろうと思います。もし百歩譲って当たるとしても、協議をして拒否されるものではないと思います、方面の土は。なぜならば、方面の土と同じような同様の土を、岡山県内で発生したものを人形峠では既に処理しているわけであります。同じものを処理しておきながら、県境の外の土は処理できないというのは、これは合理性が全くないわけであります。ですから、私は核燃料サイクル開発機構から岡山県に対する協議対象ではないと思いますけれども、百歩譲って協議対象であったとしても、拒否する理由は全くない。既に処理している土と同じものでありますから。  たまたま人形峠の事業所が岡山県にあるから、岡山県の土はいいけれども鳥取県の土はだめだなんて、これは全く不合理、論外であります。なぜならば、核燃料サイクル開発機構というのは岡山県の機関ではなくて、日本国の機関であるわけであります。その辺の履き違えが岡山県にあるし、そういうことに束縛されている核燃料サイクル開発機構は怠慢だと、こう私は申し上げているわけであります。  水資源の問題については、おっしゃるとおりだろうと思います。よく現状を把握し、将来を予測し、そしてそれについてはきちんと情報公開をする、これは大切であろうと思います。県もこれについては、これからよく注意をして取り組みたいと思いますけれども、市町村は、長谷川議員は市町村の協力を得てということをおっしゃられましたが、もちろん協力は当然でありますけれども、むしろ市町村の住民の生活をこれから案じていく上で、水需要についてはよく把握しておかなければいけないわけで、市町村がもっと主体的に取り組んでいただくことは必要だろうと思います。県ももちろん取り組んでいきたいと思います。 ◯議長(村田実君)本日の議事日程は、これをもって終了いたしました。  明日の議事日程は、引き続き県政に対する一般質問でありまして、午前10時から開会いたします。  本日は、これをもって散会いたします。        午後4時01分散会...